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風魔の小次郎 風魔血風録
98部分:第九話 夜叉の窮地その八
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る妖水に対して述べた。
「こうして。他の羽根の影となり相手に襲い掛かる羽根もあるのだ」
「ちっ、羽根はあの三つだけじゃなかったってことかよ」
「その通りだ。だが」
「ぐうう・・・・・・」
「まだ立っていられるか。無意識のうちに身体を動かして急所はかわしたようだな」
 その辺りは流石と言えた。
「だが勝負は俺の勝ちだな。既に貴様は満足に闘えまい」
「止めをさせ」
「そうしたいのはやまやまだがそれはできん」
「どういうことだ!?」
「貴様に切り刻まれていったおかげでこちらも羽根がなくなった」
 だから止めを刺せないというのだった。
「木刀も持って来ていないしな」
「くっ・・・・・・、情けをかけたというのなら」
「本当のことだ。できればすぐにそうしている」
「・・・・・・真か」
 今の項羽の言葉を聞いて妖水もそれが真実だと悟ったのだった。つまり項羽は本当に止めを刺せなかったのだ。
「止めは次だな」
「次!?次は貴様が死ぬ番だ」
 妖水はよろめきながらもこう項羽に告げた。
「貴様がな。覚悟しておけ」
「覚えておこう。それではな」
 踵を返し戦場を後にしだした。

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