第二章
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「だからな」
「結婚するにしても」
「あちらが十三になってからだな」
「八年だね」
「その間待て」
こう言うのだった。
「御前はな」
「あちらの息子さん達も一番上はまだ十二で」
「婚姻はまだ先だ」
数年程、というのだ。
「だからな」
「すぐにはだね」
「まずは娘達でな」
そして、というのだ。
「最後は御前だ」
「やれやれだね」
董明はその若く精気に満ちた顔を苦笑いにさせて応えた。痩せてどうにも神経質そうな父よりも恰幅のある母に似ている。しかし顔立ち自体は父のものだ。
「それは」
「そう思うな」
「うん、けれどだね」
「それで話が進んでいるからな」
だからだというのだ。
「待ってもらうぞ」
「わかったよ」
「まずは芙蓉だ」
長女である彼女だというのだ。
「あちらの長男さんと結婚だ」
「じゃあ次はだね」
「白梅でだ」
次女の彼女だというのだ。
「あちらの次男さんと結婚する」
「後は一緒だね」
「そうだ、三番目四番目五番目とな」
お互いに順番にというのだ。
「結婚していってさ」
「最後に僕が」
「あちらの末娘さんと結婚してだ」
「この家に入ってもらうんだね」
「それで話が決まった」
父は息子にはっきりと言った。
「それでいいな」
「わかったよ、それじゃあね」
彼は頷いた、そうしてだった。結婚のことは歳月と共に進んだ。そして芙蓉と相手が年頃、芙蓉が十三歳の時にだった。
結婚となった、するとすっかり奇麗になった芙蓉ははしゃぎながら言った。
「いよいよなのね」
「ああ、御前も結婚してだ」
「旦那様と一緒に」
「幸せになるんだ、いいな」
「そうなってくるわね」
猫の様な表情で言うのだった。
「絶対に」
「そうしてくるんだ」
娘を笑顔で送った、そうして式も行った。
次の年には二番目の娘白梅もだ、年頃になってだ。結婚となった。だがここで彼女は父に不安な顔でこう言った。姉とは違い可愛い感じの顔だ。
「大丈夫かしら」
「これからはか」
「ええ、結婚しても」
「人をつけるからな」
董家からというのだ。
「婆やをな」
「あっ、婆やが来てくれるの」
白梅の乳母であり彼女が一番頼りにしている存在だ。
「それじゃあ」
「大丈夫だな」
「ええ」
こう父に答えた。
「婆やがいてくれているのなら」
「じゃあな」
「ええ、行って来るわ」
「姉さんもいるからな」
董勝は芙蓉のことも話した。
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