第三章 X《クロス》
蒔風
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は大本のスペックの差。
蒔風は「奴」に劣る。
しかし
「俺には、この力がある」
バサ・・・・・
「皆が願い、思ってくれたこの希望は・・・・・」
ギャォッ!!!
「その差を補って、なお余りある!!お前一人では、勝ちえない!!」
ドォオオオ!!!!!
蒔風の粒子と、「奴」の黒球がせめぎ合う。
黒い衝動と、黄金の粒子が散って行って火花を散らす。
そこに向かって腕を伸ばし、叩き潰そうとする「奴」が、切迫するその状況を見て、悲痛な声を上げて叫んだ。
「俺だってなァ・・・・背負ってんだよ・・・・」
ググッっ・・・・
「消えちまったオレの世界を!!!何人もの人間の存在を!!!失っちゃいけなかった仲間たちを!!!!俺はそれを取り戻さなきゃならないんだ!!!!」
「・・・・・・」
「アイツらがまだオレの中にあるうちに、俺は世界を食らわなきゃいけねぇんだよォォォおオオオオオオ!!!!」
ごァッッ!!!
互角だったエネルギーが、蒔風に向かって押し返される。
それを聞き、蒔風が悲しそうにポツリとつぶやいた。
「そうか・・・お前の世界は、もう・・・・・」
ドォッ!!
「お前となってしまっているんだな?」
「ァッッッ!!!」
それを指摘され、「奴」が一瞬ひるむ。
そして、一瞬のうちに蒔風の粒子が「奴」の黒球を引きずり込んで、粒子の流動が高速のモーター音のようなものを鳴らしながら回転し始めた。
「だったら・・・・テメェがそれを背負わないで、どうするんだよ!!!」
ドンッッ!!!!
蒔風の翼が、一回だけ大きく羽撃たき、それに合わせて粒子の球体が「奴」に向かって放たれた。
そのエネルギーは「奴」に向かって真っすぐに突っ込んでいき、「奴」はそれを両手で受け止めようとするが、ズルリと飲まれて―――――
「おォォォオオオオオオ!!?」
ガォォォゥゥゥゥウうううううう・・・・・・!!!!!
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「が・・・・は・・・・」
ザシッ
「へ・・・来たかよ」
倒れる「奴」が「EARTH」内のちょっとした木々の中で上体を上げようとするところに、蒔風が降り立ってきた。
周囲には誰もいない。
「やれよ・・・だがな、また戻って
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