第三章 X《クロス》
蒔風
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「オォおうぁ!!!」
「うあっ!!?」
「奴」が逆立ち状態で回転し、逆に蒔風を地面に叩きつけようと仕掛けた。
その勢いに蒔風はとっさに足を話すが、地面に叩きつけられるのは免れない。
ズダンッ、ザッ、ガガガガガガッッ!!!
体が叩きつけられ、そこから受け身を取って体制を整え、地面を膝立ちで滑る蒔風。
頭からうっすらと血を流すが、蒔風もただ投げられたわけではない。
この回転合戦の中で、「奴」の頭に爪先を叩き込んでいる。
「奴」も頭から流れてくる血を拭い、地面にビシャ、と払って蒔風へと向く。
「おい・・・お前、変わったな」
「・・・・・そんな世間話してる暇はない」
「いやいや、かなり重要な話だ。お前、どうしてこんなに「お前」なんだ?」
「ッッ!!!!」
蒔風の言葉に、「奴」が息を止めて一気に上空へと飛びあがって行く。
蒔風も開翼してしてそれを追っていくが、「奴」の放つ波動砲で阻まれる。
そして、地面から蒔風が十メートルほど、「奴」はさらにそこから十メートルは上にいるところで止まった。
「言ったろ・・・暇はないんだ。終わらせんぞ!!!」
「奴」の身体から漆黒のエネルギーが噴き出、それが頭上に集まって球体へと形を変えていく。
それに対し蒔風が開翼、金の粒子が一気に展開された。
蒔風を包むよう、球状に回っていくその粒子は、さながら地球の大気の流れでもあらわしているかのよう。
「奴」の黒球の大きさは今までの比ではない。
さっきまでのはサッカーボールほどだったのが、今は直径三メートルはあろうかという大きさ。
「あの大きさ・・・・まずいぞ!?」
「それを食らったら終わりだ!蒔風!!」
地上にメンバーが叫ぶ。
あれは自分たちのほとんどを沈めた技だ。
しかも、あの大きさではいかに蒔風でも・・・・・!!
「大丈夫だ」
だが、彼に一切の不安はない。
そうしているうちに「奴」が蒔風の斜め上から黒球を振りおろし、叩きつけるかのように投げ放って来た。
大気を焦がし、空間を削るような回転をしながら、黒球が蒔風に迫って着弾する。
蒔風も粒子でそれを受けるが、さすがに重すぎる。
「は・・・どうやらテメェが復活したとき、俺の中の管理者の力が配分されちまったようだが・・・・それなら大本のスペックの違いだ。やっぱ勝つぜ!!」
「奴」が叫ぶ。
その通り、「奴」の中に流れていた管理者の力は、今は平等に二人の物となっている。
そうなれば後
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