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世界をめぐる、銀白の翼
第三章 X《クロス》
帰還
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残らず、倒されている。



無論、「EARTH」のビルにはまだ人はいる。
しかしそっちにいるのは戦う力のないメンバーだし、長門などといったメンバーはもしもの時にそちらを守っていてこちらにはこれない。



それも「奴」にはわかっているのだが・・・・



「・・・ま、当面は目の前の目標だな」



そういって、再び歩み、手を伸ばす。



そこにいるのは、やはりなのはだ。



襟を掴まれ、グイッと持ち上げられて、なのはが見たのは「奴」の拳。

大きく振り上げられて、おそらくこのまま振り下ろされる。
そうすればなのはの頭は、果物のようにつぶれて二度と元には戻らないだろう。




「・・・・てよ・・・」

「?」



そのなのはが、目に涙を溜め、胸に願いを抱え、ポツリと漏らす。



「助けてよ・・・そう言ったら・・・いつだって来てくれるんでしょう?・・・・・」

「・・・・」



その言葉に、「奴」の腕が振り上げの頂点で止まる。



見ると、周囲から光は上がっていた。



黄金の光
願いの光


希望の光




誰だって、いつだって望んでた。


でもそれは、彼をまた戦いに巻き込むことになる。




それはわかっている。




ああ、しかし人間はなんと残酷なんだろう。







このろくでもない世界に、自分たちはまた彼を求めてしまった。







生まれた瞬間、人間は泣く。

周囲は誕生したそれを祝っているがしかし・・・・




もしかしたら赤ん坊は、生まれたことを嘆いて生まれているのかもしれない。





こんなろくでもない世界にやってきてしまった、と



だけど、それでも







「それでも、いや、だからこそ、この世界は美しい」

「!?」




パァン!!と、「奴」の手が弾かれる。
そこを通過していったのは、一つの光の玉

皆の願いが集まってできた、バスケットボールほどの玉だ。



それが「奴」となのはの間を抜け、一気に上空へと上がっていき、見下ろすように滞空した。



「・・・・来たか」

そして、そこから金の粒子が波紋のように広がり、崩れたビルや、倒れたメンバーの傷を癒す。



が、傷が治っても体力の問題が解決されていない。
現に、なのはに向かって波動砲を放とうとする「奴」を誰一人として止められない。



誰も立てない。
しかし、誰一人として焦燥など抱いていなかった。




抱いていたのは、呼ん
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