第三章 X《クロス》
日常
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「ヤアアアア!!!」
「ハァあああ!!!」
すでに修復された「EARTH」の地下訓練場。
そこで二人の人間が、激しい戦いを繰り広げていた。
限りなく本気で、自分の愛機の名を叫んで技を繰り出す。
「シルバーダガー!!」
「マッハキャリバー!!」
そう、その二人とはまさにスバル・ナカジマ、ルネッサ・マグナスである。
銃弾と拳がぶつかり合い、弾け、見るも綺麗で激しく鮮烈な火花を散らし、一体何があったのかと思えるような戦闘を繰り広げていたのだ。
この二人がここまでして戦う理由。それは――――
「「イクスはウチんだぁぁアアアアアアアあああああああ!!!」」
運命から解き放たれた冥王・イクスヴェリアの争奪戦だった。
時間を少しだけ遡って
先日保護された少女、イクスヴェリア。
体内に秘められた兵器としての機能ももう暴走することがなくなり、一人の人間として生きていくことになった彼女には、まず必要なものがあった。
即ち、戸籍である。
無論、そんなものは「EARTH」の方で簡単に用意できる。
しかし、イクスはどう見たってまだ子供だ。どうしても保護者が必要になってくる。
そこで真っ先に立候補したのがスバル、そしてルネッサだった。
今のところ交流の多いスバル
父と慕った人物が残した彼女に親近感のあるルネッサ
その思いは大きい。
どれくらいかというと「聖王教会に預けたら?」と提案したティアナに二人して腹パンして撃沈させるほどだ。
「あんたら・・・覚えときなさいよ・・・ぐふぅ」
「ティ、ティアナさーーーーん!!!」
腹を押さえ、顔にタオルをかけ、グテッ、と横になったティアナが呟き、腕がパタリと落ちる。南無
そのわきにキャロがオロオロとスバル、ルネッサ、ティアナを見まわしていき、最後にエリオを見てみる。
その視線には「ど、どうしよう・・・」という意図が込められているのが容易に分かったが、エリオもどうすればいいのかわからないままだ。
「ぼくには・・・何もできない・・・ッ!!」
そんな茶番の横で、もう一つの茶番が行われた。
「ティア!くっ、ティアの犠牲を無駄にしないためにも、イクスはウチで引き取ります!!」
「ランスター執務官!!おのれ・・・上司の遺志は、私が継ぎます!!私が引き取るのです!!」
「まだ死んでないですよ!?「遺志」じゃなくて「意志」でしょう!?」
突っ込むエリオ。
ど
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