第80話 愛想
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が来る。
「失礼します」
「いらっしゃーい」
「......」
「あれあれ?元気がないね。こっちは特別な報酬を用意してあるのに」
「ララの身体は一体......」
語気を強めて警策は言い放ったがゼツは構う事なく警策の分の紅茶を淹れると湯気が立ち上るマグカップを前に出した。
「ありがとう......君のおかげで苦労していた万華鏡写輪眼を手に入れられたよ」
「?」
頭が付いていかないが、警策は論理の段差が大きいゼツの話しを反芻するように頭の中に留めた。
「......」
「そうだね。次は上手くいけばララの寿命が伸ばせる実験になるね」
「ほ、本当......ですか?」
「ああ、だけどララの力が安定するまで会う事は出来ないけど待っていられるかな?」
「う、うん」
その言葉に安心したかのように警策は出された紅茶を飲むと急な睡魔に襲われて黒革のソファに横になった。
良かった......
またララと話せ......るのね
凄く眠たい
警策が眠ったのを確認すると何処かに電話を掛け始めて、連絡を取ると静かに受話器を置いた。
「だいぶ理論とズレているね」
「近シイ者ノ死ヲ必要トシナイ......オリジナルヨリモ強ク成リソウダ」
連絡を受けてやって来たのは防弾チョッキを着込んだ屈強な大男二人だった。
対能力者用に訓練されて能力を弱体化させる装備をしている。
「生かしておくのですか?」
「まだ役に立ちそうだからね。例の場所に運んでおいて」
「分かりました」
運び出された警策は引き摺られるようにゼツの部屋から出されると研究施設に備え付けてある牢獄へと投げ捨てられるように入れられた。
数ヶ月ー......
いや、もっと長い期間だったか
ある日、突然見張りがいなくなり表に出た警策。
すっかり研究施設はもぬけの殻になっていた。
部屋を渡り歩きながらかつてララが居た部屋に入るが私物も何も置かれていない、何も聴こえない。
物事はいつも順序良く来る訳ではない
不条理は常に畳み掛けるようにやって来る
混乱する頭で情報部屋に向かう。
どうやら、ララは死んでしまった事が分かった......
あの後に用意されていた寿命を延ばす実験は失敗に終わり、死体を残さずに消滅。
実感が湧かず、失意と無力感に苛まれた。
そして学園都市崩壊事件を引き起こした警策は淀みなくある画面を睨み付ける。
絶望を生み出した日からずっとあの何でもない日々を奪った学園都市に対する怨嗟が蓄積していく。
かつての彼との想い出を胸に抱きながら、バッテリーの切り替えを行う。
「軌道修正、座標変更......っとこれで数時間であの忌まわしい機械は落下をするわ」
もうすぐ地上を焼き払う怪物が本来のポイントからズレていき、大気圏
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