暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第三章 X《クロス》
忠犬
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終わっていた―――と



正座していた凩が、瞬きの一瞬で片膝を立たせて腰に手を当てていた。
そして、その少し後方にはコックローチアンデットが。


その二体が互いに背を向けて、その場に立つ。





これからあの居合が!?
構えた!
どうするんだ?



そう思ったのはその場の全員だ。




だが




「こ・・・・・あぁあ・・・・・」

「どうやら・・・・・」




スクッ




凩が立ち上がる。
動きの止まったコックローチアンデットの額から液体が流れ出した。



「私のセリフよりも、貴様の方が臭かったようだな」

「な、なん・・・・で・・・・・」




バキン!!



そして、首を回して背中越しに語りかけた。


「臭うぞ、ゴキブリ」




「バッかなぁアアアアアアアああああアアアアアアア!!!!」





ドォオオウ!!!!





ベルトも身体もまっふたつに切断されたコックローチアンデットが、傷口から爆発して四散した。

シュウシュウと音を立てて、その肉片が消滅していく。



「封印もなしに・・・消滅・・・・?」

「す、凄い・・・・・・」



そのときすでに、すべて終わっていた。



動作も、構えも、何一つとして見せることなく、凩の剣閃はコックローチアンデットを切り裂き、この戦いを終わらせていたのだ。


「ご心配おかけいたしました、皆さん」





驚く一同に凩が頭を下げて一礼した。




コックローチアンデット、消滅





軍配は、白き忠犬に上がることとなる。







to be continued

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