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世界をめぐる、銀白の翼
第三章 X《クロス》
裏目
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だった。アンデットも三日でやれると見込んでいたのだが、どうしてもそれで出来る気がしていなかった。


だから安定させるために、彼女たちが何を望んでいるのは何かを考えた。



自由?
それはできない。ここから出すわけにはいかない

家族?
連れてくるには骨が折れる



助け?
まさにそうだ。助けが来れば、こいつらは必ず安堵する。
石板はその瞬間を見逃さない。




そして、ブロッサムアンデットが桜の森を出現させ、彼らをこの地に呼んだのだ。


果たしてそのもくろみは果たされた。



いま、石板は少女たちの魂を吸っている。




「させるか!!」

「おっと行かせねぇ!!!」




Wが穴へと駆けながらベルトのホーンを押す。
透かしそれが二回鳴らされたところでWは見えない程に速く動くコックローチアンデットに殴り飛ばされて地面に倒れた。



「な・・・!?」

「は、速い・・・」

「見えなかった・・・・」


この場の誰一人。
エリオですらもとらえることのできない速さ。



それを以って、コックローチアンデットはたった一人で石板の防衛網を築いていた。




「さて・・・どうしてくれるかなぁ?とりあえずなんか起こされるとまずいんで・・・・」



ゴッ、ォオ!!!




「あんたから消えてもらおうかな!?巫女よ!!!」



コックローチアンデットが遊び口調で、しかし気配は本気で、そう言って姿を消す。
そして直後、その黒い姿は長岡の目の前に現れて・・・・・


一つの身体を大きく殴り飛ばし、その体に鮮血を浴びた。







to be continued

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