第三章 X《クロス》
流星
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「フッ!」
「当た、るか!!」
洞窟内
一刀が剣を握ってエレクトリックエェルアンデットに向かって切り掛かっていくも、それは簡単に回避されて逆に殴られてしまうという状況。
一刀の目はまだ回復しておらず、その反面エレクトリックエェルアンデットは発光による光でしっかりと状況を見ることができていた。
「ふむ、しかし翼人。こんな状況でもオレを逃がさないようにするとはさすがだな」
「は、見てろよ・・・・そろそろお前の攻撃がわかりそうなんだ。次は躱してやる」
「やってみろ。ま、わかったところで・・・・・」
ダッ!
「いつ来るかわからなきゃ躱しようがないけどなッッ!!!」
エレクトリックエェルアンデットの拳に電光が走り、捻りのきいた拳が放たれる。
それに対して一刀は棒立ち状態だ。
真正面から走り出したエレクトリックエェルアンデットが、その拳を途中で右フックに変えて一刀のこめかみを狙った。
そこで、一刀が目を閉じた。
今まで見えずとも開けていたのだが、ここで両腕をおろし、目を閉じ、完全に起立状態になる。
だからと言って直立ではなく、力の抜けたリラックス状態で。
そして、一刀がその体制をとった瞬間に、エレクトリックエェルアンデットは拳を止め、さらに二、三歩瞬時に後退した。
まるで、何かを感じ取ったかのように。
「・・・・・貴様・・・・」
「どうした?打ってこないのか」
一刀はいまだ目を閉じたままだ。
こっちなど向いてはいない。
しかし、エレクトリックエェルアンデットは確実に何かを感じていた。
そう、なにか―――――
――――真っ直ぐ直視されているかのような、そんな錯覚―――――
ゾクッッ・・・・・!!!!
薄暗い洞窟の中、エレクトリックエェルアンデットはそれだけが原因ではない寒気を感じ取った。
この男は・・・・ここで自分を仕留める気だ。
「・・・・・・(フゥ)」
それを見て、エレクトリックエェルアンデットの顔から油断が消えた。
今までは圧倒的優位だったその状況から、完全ではなくとも油断していたものだが、それを一切なくして構えを取った。
腰を落とし、全身の発光も止め、洞窟内が再び漆黒へと戻る。
「・・・・・!!!!」
そして、エレクトリックエェルアンデットが一刀に向かって駆け出した。
すでに電磁波で相手の居場所は解っている。
そしてその両腕がガシリと確かに一刀の体を掴みとった。
「捕まえタァッ!!」
バァッツィ!
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