第三章 X《クロス》
戦闘
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叩きつけられた。
叩きつけられた衝撃と、衝突音が洞窟内で反響した振動とで脳ミソがグワグワと揺れる。
「こ・・・・のヤロ・・・」
「視界の効かないこの暗闇。お前に俺を捉えることはできるか?」
「!!!」
エレクトリックエェルアンデットが立ち上がって周囲を見渡した瞬間、どこからかその声が聞こえてきて瞬時に身構える。
暗黒漆黒、なんでもいい。
とにかく真っ暗だ。
一切の光が差し込まぬ洞窟内で、一刀は確実にエレクトリックエェルアンデットを追いこんでいた。
「俺には見えるぞ、エレクトリックエェルアンデット。ここで一気に終わらせてもらう」
この暗闇の中、エレクトリックエェルアンデットにだって相手を察知するすべがないわけではない。
まず一つに、電気を発すればいい。
そうすれば先ほどのスパークのように周囲が明るくなって、見えやすくなる。
しかし、それをしてしまえばこの暗闇の中自分の居場所を教えてしまうようなもの。
そんなことはできない。
それに対し、一刀には相手の姿がしっかりと見えていた。
翼人の力という物は、かなり互換性が高い。
基本的な肉体強化や各人の持つ能力に使うのもありだが、様々な世界の様々な力にも変換可能だ。
有名どころでは「魔力」や「気力」はもちろんのこと、言ってしまえば「瘴気」だって(その力のことをしっかりと知っていれば)変換可能だ。
そして今回一刀が用いたのはその有名どころである「魔力」
その魔力を目に回すことで、この暗闇でも相手の姿がはっきりと見えていたのだ。
「時間をかけている場合じゃないんだ」
「・・・・クソ!」
「さっさと終わらせてもらう!!」
一刀がそう叫んで翼から無数の剣を出し、それを携えてエレクトリックエェルアンデットに向かって突っ込んでいった。
突進して、まず一撃。
エレクトリックエェルアンデットの寸前でUターンするように体を返して、翼でその体を切り裂く。
鮮血が散り、エレクトリックエェルアンデットの呻く声が聞こえてきた。
そしてそのまま回転し、腰に携えた「流星剣」を構え、居合の形にかまえて一気に切り裂こうと呼吸を止めて――――――
「そこにいるのか」
「!?」
「カァッ!!!」
バンッッッ!!!!
身体の痛み、そして足音。
今までは反響していたために、音から居場所を掴むことはできなかった。
しかし、この直接攻撃。そして間近での足音。
目の前に一刀がいるのは解っていた。
だからエレクトリックエェルアンデットはこのタイミ
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