94部分:第九話 夜叉の窮地その四
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前に。二人の夜叉の忍が姿を現わしたのだった。彼等は。
「元気そうだな、風魔九忍達」
「会えて光栄に思う」
妖水と陽炎だった。二人は不敵な笑みを浮かべてそこにいた。妖水は右手にヨーヨーを弄び陽炎は右手で扇を扇いでいる。そうしながらの言葉だった。
「だがここでは少し手狭だな」
「場所を変えるか?」
二人はその不敵な笑みを周囲を見回しながら彼等に告げた。
「屋上でどうだい?」
「将棋は少し退屈だ。運動といきたいのだが」
「ああ、わかった」
小龍が二人に応えた。
「では行こう」
「私もそれでいい」
霧風もそれに乗るのだった。
「行くか」
「ああ」
こうして四人は屋上に出た。屋上は殺風景で狭かった。そこで四人は対峙するのであった。
「後の二人は来ないのだな」
「話の通りだ」
霧風が陽炎に答える。
「私達二人だ。そういう話だった筈だが」
「確かに。だがこっちとしては別に四人でも構わなかったのだがな」
「何っ!?」
「纏めて数を減らしてやるってことさ」
妖水が残忍な笑みを浮かべて言ってきた。
「四人全部な」
「まるで俺達が負けるみたいな言い方だな」
「おや、他にどう聞こえるんだい?」
妖水は小龍に対しても不敵な笑みを隠さない。
「白虎の仇、取らせてもらうぜ」
「全く。闇鬼がいなくてこちらの苦労もかなりだ」
二人は仲間達の名を出して小龍達に対する敵対心を見せてきた。
「もうすぐ戻るにしろな」
「御前達の数、減らさせてもらう」
「それはこちらの言葉なのだがな」
霧風が一歩前に出て彼等に返した。
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