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風魔の小次郎 風魔血風録
90部分:第八話 聖剣伝説その十三
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第八話 聖剣伝説その十三

「相変わらず馬鹿な奴だ」
 俯いて呟いていた。
「何をしても無鉄砲なことだ」
「昔の自分を思い出すか?」
 劉鵬が微笑んでその霧風に言ってきた。
「あいつを見ていると」
「私はあそこまでは」
「いや、御前もかなりのものだったぞ」
 しかし劉鵬はこうも霧風に言ってみせる。
「あいつと同じでな」
「ふん」
「それにだ」
 劉鵬はここで小次郎が去った方を見てまた述べるのだった。
「あいつもあいつなりに必死なんだよ」
「仲間の為にか」
「あいつが俺達を邪険に言ったことがあったか?」
「いや」
 今の劉鵬の言葉には首を横に振る。
「それはない」
「そういうことだ。だからそれでいいじゃないか」
「御前は小次郎に甘過ぎる」
 劉鵬に顔を向けず言ってみせてきた。
「あいつは甘やかしたらそれだけ馬鹿になるぞ」
「確かに頭脳戦には向かないがな。けれどそれならそれでいい」
 しかし劉鵬はそんな小次郎も認めるのだった。
「少なくとも悪知恵を身に着けるよりはましさ」
「そうか」
「そういうことだ。それでだ」
 話を元に戻してきた。
「こっちは誰を出すかだな。竜魔は無理か」
「ああ」
 目を覚ますことすらしない竜魔を見て出陣を言える者はいなかった。流石にそれは無理であった。
「林彪は・・・・・・まだ無理だな」
「済まない」
 劉鵬に対して謝罪する。
「怪我が全快したばかりだ」
「そうだな。無理はできないな」
 それはわかる。だから林彪の今回の出陣は見合わせた。
「兜丸は前出たしな」
「僕もですね」
 麗羅もそれは同じだった。自分からそれを言ってきた。
「そういえば」
「ああ。だから御前等も今回はな」
 出さないというのだった。
「少し休んでいてくれ」
「わかりました」
「じゃあ俺はこの屋敷に残るな」
 兜丸もまた自分から言ってきた。
「それでいいな」
「ああ、竜魔を頼む」 
 そういうことになった。そして次に言ってきたのは。
「まずは俺が出よう」
「小龍」
 小龍だった。
「劉鵬も柔道で出た。ここは竜魔を頼む」
「じゃあまず御前か」
「ああ。あの二人を両方共倒して来る」
 静かにこう述べてみせた。
「安心しろ」
「馬鹿を言え」
 だがその彼に霧風が言ってきた。
「二人で出る決まりだ。もう一人必要だ」
「もう一人か」
「私が行く」
 またこのことを話してみせたのだった。
「御前と私でだ。これでいいな」
「・・・・・・どうしてもだな」
「既に二人出ることは決まっているからな」
「なら勝手にしろ」
「そういうことだ」
 小龍の言葉を受けて霧風は劉鵬に対して告げた。
「これでいいな」
「ああ、じゃあ決まりだな」
 
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