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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン71 鉄砲水と優しき闇
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、それでもここは譲れない。キッパリと首を横に振ってみせた。

「そうしたいのは山々だけど、そうも言ってられない理由が2つばかりあってね。まず最初に、僕がここにいるのは僕の意思だけじゃないってこと。ここまで僕を生かし続けて、背中を押してくれた人や精霊たち。辺境の大賢者、ケルト、オブライエン、ジム、三沢とタニヤ、エドにヘルカイザー、グラファ……それに、ウラヌス。どう?パッと思いつくだけでもこれだけいるんだ。名前も知らない、でも僕のために祈ってくれてる人達も合わせると、それはそれはすごい数になるだろうね。そして、その皆が平和を望んでいたし願っている」
「それがどうしたのさ。このボクにお説教かい?」
「まさか。アモンにも言ったけど、説教なんて柄じゃないもんね。でも言ったでしょう、理由は2つって」

 ここでユベルの方を正面切って向き、なるべくふてぶてしく見えるように笑ってやる。これまで散々僕らの生活を引っ掻き回してくれた礼だ、これぐらいの嫌がらせは僕にも許されるだろう。

「……もう1つってのはね、ユベル。お前が嫌がることをしたりその望みとは真反対に動いてやることが、割と楽しくてしょうがないのさ。だからそう願えば願うほど、絶対十代には替わってやらないって気持ちが湧いてくるね。さあユベル、今の相手はこの僕さ。まだまだ勝負は始まったばっかりなんだ、楽しいデュエルと洒落込もう!」

 ユベル、煽るのは割と得意でも煽り耐性は低めらしい。苛立ち、怒り、不愉快……そういった負の感情を隠そうとすらせず、それがまたこちらの気分を良くさせる。うーむ、歪んでるなあ。きっとユーノの魂のせいだ。全部そういうことにしておこう。
 十代達から見てもしばらくまともに会わないうちに僕はだいぶ変わっていたらしく、止める事すらせず呆然と見守るのみ。

「僕のターン、ドロー!さあ、ここからは反撃と洒落込ませてもらおうか!」

 ギャラリーのおかげで少し調子が出てきたのか、何をするのが最も効果的なのかが見えてきた。せっかく大掛かりな準備に専用サポートまで使って出てきてもらったところ悪いけど、あのドラゴンにはさくっと退場してもらおう。だって攻撃力4000だもん、馬鹿正直に上から殴りつけられるのなんて霧の王位しか僕のデッキにはいない。
 素直に立ち向かって勝てないなら……他の方法でどかせるしかないじゃない?

「レインボー・ダーク・ドラゴンをリリースしてユベル、お前のフィールドに海亀壊獣ガメシエルを攻撃表示で特殊召喚。さらに相手フィールドの壊獣に反応して、僕は手札から壊星壊獣ジズキエルを同じく攻撃表示で特殊召喚!」
「レインボー・ダークを……随分無粋な真似をしてくれるじゃないか……!」
「相手モンスターをリリース!?」

 本気でこめかみをぴくぴくさせて怒るユベルに
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