ターン71 鉄砲水と優しき闇
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……」
「期待通りの反応をありがとう、と言っておこうか。でも残念だったね、まだ終わらないのさ。トラップ発動、虹の引力!」
アドバンスド・ダークにより闇に包まれたフィールドから、突然闇の柱が噴き上がる。柱?いや、違う。よく見るとその闇はそれぞれ濃さも色合いも違う7色になっている。赤、オレンジ、黄色……これは、虹の7色だ。闇の虹が天高く噴き上がり、その中央で何かが……恐ろしく巨大な何かが胎動した。
「虹の引力を発動するためには、場と墓地に合計7種類の宝玉獣が存在することが必要となる」
「やっぱり、それでアドバンス・ダークを……!」
「そういうことさ。虹の引力に導かれ、デッキより出でよ!究極宝玉神 レインボー・ダーク・ドラゴン!」
虹が砕け散り、巨大な竜が宵闇の空に舞う。黒みがかった灰色の体にはそのラインに沿うように7つの宝玉が埋め込まれ、そこから放たれるそれぞれ違った色の光がくすんだ全身と漆黒の翼をほのかに照らしている。これが究極宝玉神、か。まさか本物より先に闇堕ち状態の姿を見ることになるとは思わなかったけれど、そんな姿でさえ本来この竜が持っていたのであろう高貴な美しさ、神々しさは少しも損なわれていない。
究極宝玉神 レインボー・ダーク・ドラゴン 攻4000
「攻撃力4000……」
「まだ今はバトルフェイズ、よってこのレインボー・ダークはさらなる追撃が可能!グレイドル・イーグルに攻撃、レインボー・リフレクション!」
「……何を企んでるかは知らないけど、イーグルっ!頼むよ!」
黒き虹の竜の宝玉がひときわ光を放ち、一度後ろにのけぞったレインボー・ダークが口から破壊の閃光を撃ちだす。黄色の猛禽は自分の力を遥かに勝るその一撃から逃げもせず真っ向から立ち向かい、闇の中に呑まれてその偽りの姿が溶けていった。
「うっ……ぐっ……!」
究極宝玉神レインボー・ダーク・ドラゴン 攻4000→グレイドル・イーグル 攻1500(破壊)
清明 LP3400→900
エクゾディアの炎に勝るとも劣らないほどのダメージをもろに食らい、一瞬意識が飛びかけるのを辛うじて繋ぎとめる。確かに痛いが、でもこれでイーグルの特殊能力を発動できる。戦闘で破壊されたことでグレイドルの原型である銀色の水たまりになったイーグルが、レインボー・ダーク・ドラゴンに憑依を……。
「いじましい努力だが、やはり死人に口なしさ。アドバンスド・ダークのさらなる効果発動!究極宝玉神がバトルする際、相手モンスターの効果はバトルフェイズ中無効となる!」
「効果無効……?」
その言葉通りに銀色の水たまりを維持していた生命力が失われ、みるみるうちにぐずぐずに崩れて地面の染みとなって消えていってしまう。死人に口なしとは、随分と言ってくれるものだ。
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