ターン71 鉄砲水と優しき闇
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ひとつに腹を立てていては、また視野が狭くなりかねない。気を付けよう。
ただしこの苛立ちの報いは、痛みできっちり受けてもらうとしよう。
「……バトルだ!シャークラーケン、アメジスト・キャットに攻撃!」
無数のタコ足が地面を割りながら進むほどの勢いで伸び、雌豹を締め上げて破壊する。勢い余った足の何本かがそのままユベルに叩き付けられ、砕かれた床から砂煙が起きて一時的にその姿が見えなくなった。
シャークラーケン 攻2400→宝玉獣 アメジスト・キャット 攻1200(破壊)
「うん?……チッ」
思わず舌打ちしてしまう。煙が晴れて見えてきたのは、まるでぴんぴんした姿でにやにやと笑うユベルの姿だった。どうやら、ダメージは入らなかったらしい。
「アドバンスド・ダークの効果発動。ボクの宝玉獣がバトルして戦闘ダメージを受けるとき、デッキから別の宝玉1体を墓地に送ることでそのダメージを0にする。つまりこのコバルト・イーグルを送ることで、1200の戦闘ダメージを帳消しにしたのさ。そして、墓地でコバルト・イーグルもまたA宝玉獣に変化する」
その言葉通り、コバルト・イーグルのカードをこちらに見せてから墓地に送るユベル。アドバンスド・ダークの効果は墓地にまで及ぶ、ということか。でも、それが一体何の役に立つというのだろう。そこまで急速に墓地を肥やして、ヨハンは何がしたいのだろう。
そこまで考えて、1つだけピンとくる名前があった。レインボー・ドラゴンだ。結局砂漠の異世界では僕はあのカードを見ることがないままこの世界に飛ばされたから、それが一体どんなドラゴンなのかは知る由もない。でもあの墓地肥やしの速さから考えると、恐らくはそれがレインボー・ドラゴン召喚の鍵なのだろう。そう考えればあの召喚神エクゾディアと同じようなものだ……だが、今の僕の手札には、あの時墓地のパーツを除外して活路を切り開いてくれた埋葬されし生け贄のカードはない。
僕の疑問をよそに、ユベルの目の前に紫色の宝玉が浮かび上がる。ただしその全体は黒いもやのような闇の力に包まれ、輝きはすっかりくすんでしまっている。
「宝玉獣はフィールドでモンスターとして破壊されても、永続魔法として場に残る。これは君も知っているだろう」
「ああ。でも、アドバンス・ダークの効果はダイレクトアタックには反応しないんだね?行け、イーグル!」
「惜しいねえ、もう少しで今の攻撃も届いたのに。相手モンスターの直接攻撃宣言時にトラップカード、カウンター・ゲートを発動。今の攻撃を無効として1枚ドローし、そのカードがモンスターカードならば表側攻撃表示で召喚することができる。来い、A宝玉獣 エメラルド・タートル!」
緑色のエメラルドが闇の輝きを受けてひびが入り、弾けて亀のモンスターになる。当然と
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