ターン71 鉄砲水と優しき闇
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増していた。
基本的な姿形は第二段階がベースだが、そこに込められた力は先ほどの日ではない。翼の数はさらに増え、首の付け根からは竜の頭に加えもう1つ、山羊のような角を持った悪魔の首が生えた。両膝には無作為に辺りをねめ回す捕食者の瞳が開き、次なる犠牲者を探すかのように光っている。
だがそれより何より目を引くのは、胸の位置にできた顔……そう、顔だ。馬鹿馬鹿しいほど巨大な3つの目に、その下の鼻。口からはご丁寧に牙まで覗いているとパーツひとつひとつは人間離れしているものの、でもあれは最初のユベルと同じ。正真正銘、人間の顔だ。
「いいだろう、もうボクも出し惜しみはなしだ。これが僕の、終焉にして究極の姿。第二段階の僕がフィールドを離れることでのみ特殊召喚できる、もうひとつのユベル……ユベル−Das Extremer Traurig Drachen!」
ユベル−Das Extremer Traurig Drachen 攻0
「ターン……エンド」
手札、場、墓地。駄目だ、これ以上はどこを見ても、何も打っておける手がない。このユベルもこれまでと同じく、攻撃された時にしか反射できないモンスターなら……そんな淡い考えが浮かぶも、すぐに頭を振ってそれを打ち消した。きっと無理だろう、このユベルはこれまでとは格が違う。
それを裏付けるように、全ての力を解放しきったユベルが体中の目見開いて睨みつける。すると先ほどのイーグルよろしく、サンダー・ザ・キングの体が操られるように動きだした。全身に力を込めてもがきながらのの抵抗もむなしく、振り上げられた3つの首に雷の力が溜まってゆく。
「深き悲哀の竜よ、サンダー・ザ・キングに攻撃しろ。この瞬間モンスター効果によりボクへの戦闘ダメージは0となり、さらにバトルによってボクは破壊されない」
わずかな沈黙の後、3本のブレスが強制的に放たれた。しかしそのどれもが敵を捕らえることができずにユベルの前で霧散し、代わりにユベルの双頭の竜が同時に火を放つ。そのうち1本がサンダー・ザ・キングの体を焼き尽くし、もう1本は僕めがけてまっすぐに飛んできた。逃げ……られ、ない、か。
「そしてこのダメージステップ終了時、ボクの効果が発動する。戦闘を行ったモンスターの攻撃力分のダメージを君に与え、そのモンスターを破壊する効果がね」
ユベル−Das Extremer Traurig Drachen 攻0
→雷撃壊獣サンダー・ザ・キング 攻3300
清明 LP900→0
膝の力が抜けて立っていられなくなり、その場に倒れる。不思議と、怖いとは思わなかった。この世界であれだけの相手を消滅させてきたのに、今更自分が消えるからといってそ
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