ターン71 鉄砲水と優しき闇
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ところでなんになる?」
忌々しげに吐き捨てるが、確かにその言葉は間違っていない。だけど、このカードを使えば話は別だ。謝罪の意味を込めてシャクトパスをちらりと見ると、覚悟を込めた目でコクリと頷き返してくれた。ごめん、シャクトパス。
「バトルが無理なら、こうするまでさ!魔法カード、妨げられた壊獣の眠りを発動!フィールドのモンスター全てを破壊し、互いの場に壊獣を1体ずつリクルートする!」
「破壊効果か……ならばトラップ発動、安全地帯!この効果によりボクは相手の効果の対象にならず、さらに相手の効果と戦闘によっては破壊されない!」
「くっ……でも、シャクトパスが破壊されたことでリクルート効果はこのまま発動する!出て来い、粘糸壊獣クモグス!雷撃壊獣サンダー・ザ・キング!」
まさか、こんなところで完全にミスだと思っていたシャクトパスの召喚が生きてくるとは思わなかった。なにも破壊できなければそれで終わりだが、1体でもモンスターの破壊ができさえすれば、妨げられた壊獣の眠りでデッキの壊獣を呼び起こすことができる。
粘糸壊獣クモグス 攻2400
雷撃壊獣サンダー・ザ・キング 攻3300
「生き残るのは勝手だけど、それなら無視しておけばいいもんね。バトルだ、サンダー・ザ・キング!クモグスに攻撃しろ!」
サンダー・ザ・キングの3つの頭にそれぞれ光が集まり、3本のブレスが螺旋状に絡み合いながら打ち込まれる。だがその瞬間、フィールドに風が吹くのを感じた。それだけなら別になんてこともないが、風の勢いはあれよあれよという間に強くなっていき、立っているのもやっとというぐらいの暴風となってフィールドを駆け廻る。
「これは!?」
「トラップ発動、邪神の大災害。相手モンスターの攻撃宣言時、場の魔法、罠をすべて破壊する。君のその伏せカードも、ボクの安全地帯もね」
「安全地帯も!?そんなことをしたら……!」
安全地帯は強固な体制をモンスターに与えるが、その反面自身が場を離れた時に対象モンスターも道連れにする欠点を持つ。それをわかってて僕の伏せカード1枚を除去しにくるとは考えにくい……だがいずれにせよ、こちらの攻撃はもう止まらない。大蜘蛛は雷撃を浴びて爆発四散、その余波がユベルを襲う。
雷撃壊獣サンダー・ザ・キング 攻3300→粘糸壊獣クモグス 攻2400(破壊)
ユベル LP2900→2000
「……」
ダメージは通った。ユベルも、半ば自滅に近い形で破壊された。さあ、次はなんだ、何が来る。
「本当に、大したものだよ。ボクを本気で怒らせただけでなく、ここまでボクに本気を出させるとはね」
闇の向こうから聞こえてくるユベルの声は、やはり余裕たっぷりで。やがて見えてきたその『ユベル』は、さらに禍々しさを
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