百十五 それぞれの道
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の国にいる巫女の存在と、そしてその巫女に封印されし妖魔が大いに関係している。
妖魔【魍魎】を滅ぼしたとなると、各国は挙って鬼の国の侵略に乗り出すかもしれない。
その上、木ノ葉隠れが厳重に保管している巻物を奪取する目的で里に潜入し、捕らえられたススキが自殺か否かの件で不和だった火の国との国家間も、ナルトが差し出した巻物、要はススキの遺書で、回復した。
また、今回の【魍魎】復活の主犯である黄泉自身は亡くなったものの、彼の配下の生き残り…クスナとシズクの処置に関して、鬼の国とナルトとの間で聊か、押し問答があった。
いくら改心したとは言え、鬼の国側としては処刑にすべきだという意見が多い中、ナルトの口添えで彼らは死を免れた。
正直に言えば、ナルトが黄泉配下を諫めた最初の理由は、四人衆のリーダー格の名が母の名前に似ていたという、些細な事だった。ナルトは親切な人間ではない。そこまでの善意など持ち合わせていない。しかしながら、白と君麻呂を安全な場所へ運んでくれた事に対してはそれ相応の恩を返さなければならないと、死刑を言い張る鬼の国をなんとか説き伏せたのだ。
もっとも罪人には変わりないので、クスナとシズクは、各国で問題を起こした忍達を多数収監している施設に収容される結果となった。
それでもまだ、ナルトの交渉が無ければ、有無を言わさず死刑だったのだ。
彼ら二人はナルトに対して感謝の言葉を述べ、草隠れの里にある監獄へ連行された。
クスナとシズクの処置に関してひと悶着あったものの、鬼の国はドスとキンについては寛容だった。
要は忍びを巫女の護衛として雇えるわけなので、条件としては申し分ない。
以上から、ナルトにただならぬ恩がある鬼の国は、意外にもあっさりと彼の要望を聞き入れ、ドスとキンを受け入れたのである。
「もう一度聞くが、いいのか?」
鬼の国に残ったドスとキンを除いた顔触れに、ナルトは改めて訊ねる。
自分についてこなくとも、平穏無事に過ごせる道があるのにあえて厳しく険しい前途を選ぶのか、と暗に問うと、返ってきたのは複数の呆れ返った視線だった。
「くどい」
「ナルトくんのお傍にいさせてください」
「ナルト様の進む道が僕の道です」
再不斬と白、そして君麻呂の言葉を皮切りに、他の面々も口々に訴える。
特に紫苑からナルトを引き離せる事に成功した多由也と香燐の熱い口振りに、次郎坊が秘かに顔を引き攣らせていた。
熱心な語りを耳にして、聊か眼を白黒させたナルトは、彼らが落ち着いたのを見計らって礼を言う。
そして、今後の行動に関して指揮を執った。
「早速だが、人を捜してもらいたい」
怪訝な表情をする彼らをよそに、ナルトは顔を引き締めた。
「一筋縄ではいかぬ人物ばかりだろうから、見つけ次第、
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