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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0021話『町の人々の視線』
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扱いなどとかいった色々な罪で捕まっていったさ。
それから二年間の間、誰も近辺に赴任してこないから怯えた暮らしをしていた。
だけど最近になって新しく久保提督が近くの鎮守府に来てようやく深海棲艦から怯えて暮らさずにすむのだろうと期待していた矢先に正体不明のあんたらがやってきた。
ここまで言えば、分かるだろう…?」
「…そうですね。私はまだあなた方から信用されていないのは分かりました。
それも踏まえて言わせてください。確かに私は過去に指示のミスを侵してしまい数人の艦娘を轟沈させてしまった事があります。
ですが決して私は艦娘のみんなを無下に扱ったりはしません。
それに提督の私自身も今は艦娘です。ですから艦娘のみんなを対等に扱い、そしていざとなったら一緒に出撃しましょう」

私がそこまで言い切ったのだろう、それを聞いていた摩耶と鳥海は、

「て、提督!? なに勝手な事決めてんだよ!?」
「そうです司令官さん! あなたは私達の提督です。ですから…」
「それでもだ」

私は鳥海の言葉を遮るように言葉を重ねる。

「…確かに提督は艦娘のみんなに指示を出すのが役目だろう。だけど一緒に戦わせてくれないか…?
私には正面切って深海棲艦と対峙する覚悟はまだないのかもしれない。見ろ…?」

それで私は震えている手をみんなに見せる。

「この通り私は臆病者だ。艦娘のように戦えるかもわからない。だけどそれでも皆と一緒に戦いたいんだ」
「ッ…提督、お前って奴は」
「司令官さん…」

それを聞いていたのだろう。町の人々は少し黙っていた後、

「…信じていいんだな、嬢ちゃん? 俺達は前のバカのせいで嘘の空気には敏感だからさ。
嬢ちゃんが言っている事は嘘じゃないって分かるんだよ。だから信じていいか?」
「信じてもらえるならとても嬉しいです」
「…わかった。なら俺はあんたを信じるぞ。この町も含めて守ってくれよな」

すると他の町の人達も男性に呼応して次々と信じると言ってくれた。
それでとても嬉しい気持ちになった。
そして一段落して帰り道になって、町の人達を驚かしたくなかったのだろう榛名が出て来て、

《提督…。先ほどの件ですが、言った事は責任が重いですよ?》
「わかっている。だからもし私も戦う場面に遭遇したら榛名、一緒になって戦ってくれるか…?」
《お任せください。提督の事は私が守りますから》
「あっ! 榛名、ずりーぞ! アタシだって守ってやるからな提督!」
「はい。私も司令官さんを守りますから無茶して前に出ないでくださいね?」

そんな約束をされてしまい、少し恥ずかしい気持ちになった。
鎮守府に帰った際もその議案が鳥海からみんなに伝わったのだろう、一波乱あったのは別の時に語ろうか。



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