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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0021話『町の人々の視線』
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ほど場の空気を読めないわけでもなく黙っている事しかできないでいた。
それで男性に案内されて一つの席に座らされてなにやら話し合いのような場が設けられた。

「さて、それじゃ少し話をしようか。嬢ちゃん、あんたは久保提督の事は知っているか?」
「はい。まぁこの世界では親交がある提督仲間という認識ですが」
「先日にその嬢ちゃんにも今と同じように囲んで話を聞いたわけだ」

それで想像する。
囲まれた久保提督と第六駆逐隊の面々はさぞ怖い思いをしたのだろうと。

「それはどういった…?」
「嬢ちゃんは俺たちが期待していい提督なのかをな」

男性のその言葉に次は女性の人が声を出してきた。

「そうよ。知っているでしょうけど、あなたはここいらでは有名人よ?
なんせ異世界から鎮守府の施設ごとこの世界に来たっていう話だからね」

その事は知っている。
大本営のその発表は日本を震撼させるには十分な出来事だったからだ。
当然、それを聞きつけてインフラ整備が整った次の日には色々な野次馬が鎮守府を外から眺めていたからな。
最近はあまり見なくなったけど最初の間は少し居心地が悪かったのを覚えている。

「そうですね…。あ、挨拶はしたと思うのですが…」
「確かに…集会を開いて演説していたのは見たよ。でもまだ俺達は嬢ちゃんの事を完全に信用していないんだ。
…知らないだろうから教えてやるよ。嬢ちゃんの鎮守府が転移してくる前の場所は廃れていたっていう話は聞いているか?」
「はい、聞いていますが…」
「その鎮守府にいた提督がそれはもう上から目線の奴だったんだよ。
艦娘様達を兵器としか運用せずに無理無茶を平然と要求して毎日必ず一人か二人は艦娘様が轟沈をしていた」

それを聞いて摩耶は「うぇ…」という顔になって嫌悪感を浮かべている。
鳥海は冷静になって男性の言葉をうまく咀嚼して聞いているのか黙っていたまんまだった。

「俺達にもこう言ってきた。
『俺が守ってやっているんだからお前たちは素直に従えばいい』とな」
「ひどいですね…」
「だろう? それで結局最終的には二年前に深海棲艦に鎮守府を襲撃されて一人、また一人と艦娘様達が死んでいく中でそのあほは何を思ったのか鎮守府を逃げ出してきやがった」
「………」

私は黙ってその言葉を聞いていたが、おそらくその提督の末路は…、

「それで今まで偉そうだったあいつは俺達に頭を下げて助けてくださいと命乞いをしてきたんだ。
失望したもんだね…俺達はこんな奴に今まで頭を下げていたのかと思ってな」
「そうよ! 情けないったらありゃしないさね」

それで当時を思い出しているのだろう町の人々は愚痴を零し始める。

「…それでそのバカは最終的には業務内容を大本営に知られたのだろう、艦娘への
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