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ロザリオとバンパイア〜Another story〜
第60話 テスト結果と小さな天才
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ら見ている者がいた。
 背は他の生徒たちに比べて一回り小さい姿。クラスが違う少女。
 その名は仙童紫。そしてそのテストの順位は……驚く事なかれ。


仙童紫(せんどうゆかり)―――1番



 全教科満点の文句なしの学年No.1だ。
 普通はテストと言うものは100点満点を取るのは難しいのは当たり前だ。どれだけ勉強したとしても、5教科の何処かにはケアレスミスと言うものは取ってしまうものだから。だが、彼女は一切ミスをせずに、完璧な回答だった。


「……………」

 そんな天才とも言える少女、ゆかりは ドキドキ、と僅かに頬を紅潮させ、緊張しながら3人を見ていた。

 それにしても、その姿は高校生には見えない程幼い容姿だ。
 因みにそれには訳があったりする。
 彼女について説明をする前に――部外者が割り込んできた。
 

「おめでとう……紫さん・ また一番だった(・・・・・・・)ようですね(・・・・・)

 称賛の言葉なのだが、その声色は その声質は明らかに侮蔑した言い方だった。
 不快感しか凡そ感じられないものだった。

 その声はまだ続ける。


「さすがは天才少女……。 まだ11歳なのに、とび級でこの学園に入学したのはダテじゃなさそうだ。 でも、いいですか? 調子に乗らないでください。 私から見れば君なんて乳くさいだけの青二才なんですよ」

 その男の傍には取り巻きがいて数は2人。取り囲む様にゆかりに近付いてきた。

「……委員長」

 ゆかりは、紅潮させていた頬は直ぐに戻り険しいものへと変わる。
 それを見た委員長と呼ばれた男は卑しく笑みを見せて吐き捨てた。

「だいたい何ですか この格好は! 完全に校則違反でしょう 私ははみ出し物が大嫌いです!」

 そう言ってゆかりを突き飛ばす。

「きゃっ や……やめて下さいです〜〜!」

 周囲は十分騒がしかったが、場の異質さに勘づいた生徒が多かったのか、一気にゆかりたちに注目した。



「なんだなんだ……?」
「ホラ 例の天才少女の……」
「また自分のとこの学級委員長にいじめられているよ………」
「嫉妬深ぇなぁ……。テストで勝てねぇからって」



 皆が口々に呟くが誰も止めたりしないようだった。
 勿論それには理由がある。……その理由が彼女の正体に直結する根深い問題が。


「君の存在は学級委員長として 頭が痛いですねぇ……」


 周りの声の中には『いじめ』や『嫉妬』等と言う単語が聞こえてきたせいか、更に機嫌を損ねる男。乱暴にゆかりの服を引っ張り、自分に近づけると更に汚い言葉を吐き捨てた。


「どうせ、貴方の正体は魔女(まじょ)なんでしょう? ……汚らわしい! 君
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