常盤台刈り1
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あれから佐天さんに常盤台の制服を貸して、着替えを済ませてケーキ屋さんへと向かっていた。
「ほんと、すみません…」
「大丈夫よ、気にしないで佐天さん。」
「お姉様の制服が着れて良かったですわ。」
「…………。」
そう、佐天さんが着ている制服は私の。
佐天さんの濡れた制服はクリーニングに出していて、出来上がり次第、寮に持って行ってくれるように頼んだ。
そんなとき会話に参加せず、ずっと黙っている初春さんが気になり私は話しかけた。
「初春さん、どうかしたの?」
「いえ……。」
「初春……貴女佐天さんが羨ましいからって黙るのはよしなさいな。」
黒子がため息混ざりに言った。
「あー、ごめんね初春。」
そこからは大変だった、初春さんを落ち着かせることに。
初春さんは常盤台学園に憧れているらしく、佐天さん1人が制服を着ている事に不満を持ってしまった。
まぁ、結果的には佐天さんがケーキを奢ると言うことで収まったけど。
「そういえば、湊さんは?」
「え……。」
佐天さんが私に聞いてきた。
黒子は何も言わず、ただ私の隣を歩いている。
初春さんも気になったのか、佐天さんと一緒に聞いてくる。
「最近会ってないですね、御坂さん何か知らないですか?」
私は2人の心配そうな顔から視線を外して言った。
「私も知らないわ、大丈夫よ。どうせ、ふらってまた出てくるわよ。」
私はそう言って歩調を早くする。
「白井さん、あの……。」
「今、お兄様と連絡が取れないのですわ。」
「え……?」
「あの爆破事件からお姉様が何度も連絡をしていますが、ずっと留守電ですの。」
「……湊さん」
「お兄様はいったいどこに……。」
「あ……。」
「初春?どうしたんですの?」
「あ、いえ!何でもないです!」
そんな会話をしているとケーキ屋さんに着いた。
いざ、ケーキ屋さんに入るとチャラチャランと扉に着いてる金属がなり中から店員さんの声がした。
目の前のショーケースに並ぶ、たくさんのケーキに初春さんは目を奪われて張り付いている。
「私たちは決まりましたわ、初春はどうするんですの?」
「ちょ、ちょっと待ってくださいね。」
そう言ってから5分ほど経ちながらも「うーん…」と初春さんはケーキを右から左へとみている。
「初春ー、もう5分経つんだけど……。」
「早く決めてくださいな、店員さんにもご迷惑ですの。」
そのとき初春さんの携帯の着信音が鳴った。
すると、初春さんの顔が徐々に変わっていき電話を切ったと思ったらため息を付いて、床に手を置いて伏せてしまった。
「ちょ、初春!?
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