第五章
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「数学の問題よりもわからないわ」
「あんた数学苦手だしね」
「数学だけはね」
何故か妹はこの科目だけは駄目だ、ちなみに私は理科だけは駄目だったりする。他の科目はいい。
そんな私達にだ、王様が言ってきた。
「何はともあれお茶もティーセットも楽しもう」
「そうしていいんですね」
「私達も」
「宇宙の中で」
「そうしても」
「ここに座ったんだ」
それならというのだ。
「別に構わないさ」
「そうですか、じゃあ」
「もう全く訳がわからないですけれど」
私達は首を傾げさせつつ王様に応えた、現に私も妹も既に紅茶を一口飲んでいる。
「お言葉に甘えまして」
「ご一緒に」
こうしてだった、私達はお茶会を楽しんだ。不思議の世界の人達と一緒に。そしてお茶会が終わってだった。
流れ星が見えたところでアリスが私達に言ってきた。
「ではまた縁があったら」
「ってことは」
「お茶会も終わったし」
「お別れよ、貴女達も元の世界に戻るわ」
そうなるというのだ。
「流れ星が見えたからね」
「流れ星に何かあるの?」
「別に何もないわよ」
「じゃあ何で言ったの?」
「理由はないわ」
今回もこうだった。
「だから物事に理由はいちいち必要ないの」
「だからなのね」
「そう、合図と思えばいいわ」
理由はないにしてもというのだ。
「お別れのね」
「流れ星がなのね」
「そうなるから、ではまた縁があったら」
「ええ、じゃあ」
「またね」
私も妹も訳がわからないままアイスに応えた、そして皆で流れ星を観ていてその星が宇宙の彼方に消えた時に。
私達はまた別の場所にいた、そこは私達の二段ベットの中だった。私は上の段で目が覚めて。
起きてだ、下の段にいるであろう妹に声をかけた。
「起きてる?」
「今起きたわ」
妹の声での返事だった。
「いや、何だったのかしら」
「昨日はね」
「夢?」
妹は下から私に聞いてきた。
「そうだったの?」
「夢みたいな話だったけれど」
訳がわからないところがそのままだった。
「何か妙にリアルだったわね」
「実感あったわね」
「全く、何なのよ」
起き抜けなのにやけに目も冴えていた、頭もすっきりしている。
それで二人でベッドから出て上の段にいた私は梯子で下まで降りてお部屋の中を見ると。
合わせ鏡はそのままだった、壁の時計は七時だった。二人がそれぞれ座っていた鏡のすぐ傍の座布団達までそのままだった。
それでどうしてベッドで寝ていたのか、このこともさっぱり訳がわからなかったけれど今日は学校だ。だから私達はすぐに制服に着替えてだった。
リビングに出た、するとお父さんと高校生の兄貴は慌ただしく家を出る支度をしていた。そしてお母さんが私達に早く朝御
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