第四章
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「そうよね」
「何でなの?こんなに大勢の人や生きものも入ったし」
「そのことも不思議ね」
「不思議の国から来たからだよ」
兎さんが私達に言ってきた。
「不思議なことは幾らでも起こるものだ」
「それ理由になってないわよ」
私は兎さんに眉を顰めさせて言い返した、皆着席してトランプの兵隊さん達が出してくれるミルクティーと三段ティーセットを待っている。
「全く」
「おや、そうかい?」
「貴方達が来た理由といい」
「理由にならないことも多いでしょ」
今度はアリスが言ってきた。
「それを一つ一つ考えても意味ないわよ」
「そういうもの?」
「大体合わせ鏡で悪魔が出るお話も」
私達が興味本位でやろうとしていたことだ。
「理由あるの?」
「それは」
「そうでしょ、鏡の国に悪魔はいなかったし」
その鏡の国に行ったアリスの言葉だ。
「だからね」
「特になのね」
「そう、理由とか理屈はね」
そうしたものはというのだ。
「考えても仕方ないものよ」
「変なお話ね」
「そして飲む場所はね」
アリスは私達にさらに言ってきた。
「変わったから」
「変わった?」
「見て」
アリスのその言葉に気付くとだった、私達は宇宙空間の中にいた。下に地球があってお月様も見える。リングが奇麗な土星もあるし木星や火星、勿論太陽まで見えて周りの星々まで見える。
私達はその宇宙の中に浮かぶテーブルに皆で座っていた、アリスはその宇宙の中で私達に言うのだった。
「場所も変わるものよ」
「また何が何だか」
「アリスに宇宙はなかったわよ」
妹も言ってきた。
「確か」
「そういえばそうね」
私は妹のその言葉に頷いた、ここで紅茶を一口飲んだけれど美味しかった。
「色々な場所が出ても」
「何で宇宙なのよ」
「物語は自由に出来るのだよ」
芋虫が水パイプを横にティーセットのエクレアを食べながら話してきた。
「場所を変えることもね」
「貴方達の物語の中に出なかった場所でも?」
「そんなものは出せばいい」
「新たに?」
「そうなのだよ、ルイス=キャロル氏が書いておらずとも」
それでもというのだ。
「別の作家さんがね」
「これまた変なお話ね」
「変というか」
「そうよ、話せば話す程訳がわからなくなってきたわ」
「もう私全然わからないわ」
妹に至ってはこう言った。
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