第一幕その二
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「日本の紅茶をイギリスの紅茶よりずっと美味しく感じるよ」
「本場のものよりもですね」
「ずっと美味しいんですね」
「先生もそう感じてるんですか」
「うん、今ではね」
こうお話しつつ飲みます、そしてです。
ここで先生にです、学生さん達がこんなことを言ってきました。
「あと先生最近ですが」
「日笠さんとお話してませんか?」
「この研究室でも」
「そうされていませんか?」
「うん、日笠さんはお友達だよ」
すぐに答えた先生でした。
「いいね」
「あれっ、そうなんですか」
「日笠さんはお友達なんですか」
「そうなんですか」
「そうだよ」
こう答えるのでした。
「他のどういった関係なのかな」
「いや、そう言われますと」
「何といいますか」
「あの、それはですね」
「ちょっと」
皆どうにもというお顔で先生に応えます。そのうえで困ったお顔でこうも言ったのでした。
「先生も源氏物語お読みですよね」
「古今和歌集とかも」
「古典にもそうしたお話多いですから」
「そうしたお話も読まれてますから」
「そこから少しです」
「お考えになっては」
「?何をかな」
そう言われても気付かない先生でした。
「一体」
「まあよくお考えになって下さい」
「先生ならっていう人結構いると思いますから」
「そのご性格なので」
「日笠さんもそうですし」
「先生は人気がありますから」
「好いてもらっていることは有り難いね」
先生はお友達が多いことを感謝してます、ですがそのことには感謝していてもそれでもなのです。
「僕も嬉しいよ」
「先生嫌いな人はまずいないですが」
「それでも何といいますか」
「そこはです」
「どうにも」
皆も困ってしまいました、そしてです。
学生さん達でお顔を見合わせてです、やれやれといったお顔で苦笑いをしたうえでそうして先生にあらためて言いました。
「そういうことで」
「そうしたことはおいおいということで」
「先生も頑張って下さいね」
「これからも」
「皆何を言ってるのかな」
本当にわからない先生でした、きょとんとしたお顔になっています。
「今は」
「まあそれは終わりということで」
「それで宜しくお願いします」
「じゃあ今はです」
「お茶を飲みましょう」
「お菓子も食べて」
「どっちも一杯あるからね」
先生はこのことには笑顔で応えました。
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