0020話『駆逐艦曙の回想』
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せておいてもらってもいいですか…?」
「わかりました」
それで通信を鳴らして全員を外に出していざ来るであろう人間を迎え撃つ準備を整えた。
まぁ、今まで大した戦力も寄越してこなかったから大和さんと武蔵さんだけでもなんとかなるだろうけど、私もなにかの胸騒ぎを感じていたのだ。
そしてやってきた一隻の船。
それに対して大和さんが副砲で威嚇射撃した。
普通ならこれですぐに撤退するものだろうと思ったけど今回だけは違った。
六、七人ほどの艦娘を投入してきたのだ。
ついに戦いになってしまうのだろうか…?と最初は思った。
でも少し様子が違っていて、やってきたのは行方不明になっていた榛名さんや川内さん達だったのだ。
最初は喜んだ。
でも、どこか榛名さんの喋り方が違うのを感じたのだろう、
「あれは榛名じゃないネ…」
金剛さんが警戒していた。
そしてその榛名さんに似ている人はここで私達に爆弾のような発言をしてきたのだ。
「俺は君たちの提督だ!」
その宣言を聞いて私は最初は「はぁ〜?」という感想を抱いた。
それはみんなも同じだったようで疑惑の表情を榛名? 提督? どっちでもいいけど向けていた。
だけど話が進んでいく内に自身の事を提督と呼ぶあいつは私達と同じようにいきなりの光とともに榛名さんの体に宿ってしまったという。
そんな胡散臭い話が信じられるわけがない。
だけどあいつは私達を説得し続けた。
そこであいつは私達にとっても禁忌の話をしだした。
…そう、かつてクソ提督のせいで轟沈してしまった艦娘の名前を上げて前に出て来てくれという話をしだしたのだ。
確かに上げられた艦娘の名前は轟沈した人たちだったけど、でも、まだ信じられきれない。
「俺達に任せろ。いざとなれば吶喊してやるさ」
そう言って木曾さん達は前に出ていった。
そして次に起こった出来事に目を疑った。
あいつは突然土下座をしてきたのだ。
そこまでするなんて…。
でも、そこまでして信じてもらいたかったんだろうという気持ちになった。
さらに驚くべきは本物の榛名さんが姿を現して「この方は私達の提督です」と言ったのだ。
そこまで言われてしまってはもう信じるしかないではないか。
それで漣とかも「ご主人様ー!」と叫んでいて、
(ああ、やっとみんなが落ち着ける時が来たのね…)
と内心で安堵している私がいた。
そんな事もあってこの世界で生きていこうという話になり、今に至っている。
私は執務室に向かいながらも今度はどんな挨拶をしてやろうという気持ちにさせられて、でもいつも通りが一番だと自分で納得する。
執務室の扉の前で深呼吸をしながらも扉を開けて、
「用って何よ…? このクソ提督♪」
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