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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
04.龍使いと橙
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だけですよ、きっと……それなのに《龍使いシリカ》なんて呼ばれていい気になって……」
今にも泣き出しそうなシリカを慰めるために頭に手を置いて撫でる。柔らかな髪の感触が手に伝わってくる。
「心配ないよ。必ず間に合うから」
シリカは頬を赤らめながら涙を拭う。
「シュウさんのホームって……」
「俺はホーム特にないんだよ。転々と適当な層で寝泊まりしてる」
「そうですか。ここチーズケーキが結構いけるんですよ」
シリカが無邪気な笑顔で笑う。すると向こうのほうからぞろぞろと四、五人の集団が現れる。その集団を見てシリカの顔色が曇る。
「あら、シリカじゃない」
向こうから声を掛けられ、振り向く。
「ヘぇーえ、森から脱出できたんだ。よかったわね」
真っ赤な髪を派手にカールさせた、女性プレイヤーが口の端を歪めるように笑う。
「どうかしたのか?」
「いえ、別に」
顔色はさらに曇っていく。
「あれ、あのトカゲどうしちゃったの? もしかして……」
赤髪の女性はわかりきっていることをわざとらしく口にだす。
「……ピナは死にました。でも絶対に生き返らせます」
「ヘェ〜、ってことは思い出の丘に行く気なんだ。でも、あんたのレベルで攻略出来るの?」
「できるさ。そんなにあそこは難しくないからな」
シリカが答える前に、シュウは前に出た。彼女をかばうようにコートの陰に隠す。
「あんたもその子に垂らしこまれた口。見たとこそんなに強そうじゃないけど」
コートの陰に隠れるシリカの体が震えるのを感じた。この場にこれ以上長居はできないだろう。歩みを始めようとしたその時だった。見慣れた姿を確認してわずかに笑みを浮かべ、手を挙げる。
「悪いな、遅くなった」
黒髪に黒革のロングコートに背負うのは漆黒の片手剣。全身真っ黒な装備をしている少年、《黒の剣士》だ。
「いや、ベストタイミングだ」
少し前に出て、キリトと拳をぶつける。
「それじゃあ、行こうぜ」
そのままキリトとともにその場を後にするのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
シリカがオススメと言っていたレストランへと足を踏み入れた。三人は奥まった席に腰をかける。
軽くお互いに自己紹介だけを済ませてからシリカが慣れた口調で注文をする。
「……なんで……あんな意地悪言うのかな……」
席についてわずかに経ってからシリカがぽつりと呟いた。
するとキリトがカップを置いて口を開いた。
「君はMMOはソードアートオンラインが始めて?」
「はい」
「どんなゲームでも人格が変わるプレイヤーは多い。中には進んで悪人を演
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