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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
04.龍使いと橙
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な……」
トレードウインドウをお金を受け取らずにOKを押す。
「すみません、何からなにまで……。あの、あたし、シリカっていいます」
聞き覚えのあった名前の気がしたが思い出すことができない。
軽く頷きながら、右手を差し出す。
「俺はシュウだ。しばらくよろしくな」
握手を交わし、迷いの森を抜け出すべく歩みを始めるのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
第三十五層・ミーシェ
三十五層の主街区へと大通りから転移門広場に入るとあまり来ない層に辺りを見回す。
「おっ! シリカちゃん発見!」
すると冴えなさそうな顔の二人の男プレイヤーが近づいてきた。
「ずいぶん遅かったんだね。心配したよ」
「……あっ、あの」
「今度、パーティー組もうよ。好きな所連れてってあげるから」
あからさまに困った顔をしているシリカ。一瞬、こちらを見て目が合う。
「お話はありがたいんですけど……」
一生懸命頭を下げてパーティーの勧誘を断る。
「……しばらくこの人とパーティーを組むことにしたので……」
するとシュウをうさんくさそうなものを見るような視線を投げかけてくる。
そういう視線には慣れてはいる方だが、あまり好ましいものではなかった。
「おい、あんた──」
冴えない顔の一人がシュウの前に進み出て、口を開いた。
「見ない顔だけど、抜けがけはやめてもらいたいな。俺らはずっと前からこの子に声をかけてるんだぜ」
「んなこと知るかっつうの……それにパーティー組むのに抜けがけとか普通ねぇだろ。ソロの俺にはわかんねぇけどな」
めんどくさいように頭を掻きながら大きなあくびをする。
「なんならここでどっちが強いか白黒つけてもいいぞ」
背負われている槍へと右手をかけて、二人のプレイヤーを睨みつける。するとじりじりと後退していき、最後には覚えてろよ、という台詞を残して逃げ出してしまった。
少しやりすぎたかな、と思いながらも右手を元に戻す。
「あの……すみません」
「ああ、このぐらいは別にいいよ。それに下心丸出しの馬鹿な奴らは適当に追っ払うのが一番だ」
そう言ってシュウは建物に背を預けてその場に立ち止まった。
「あ……あの……」
「ごめん。説明してなかったね。もう一人同行者がいるって言っただろ。そいつと転移門前で合流する予定なんだ」
シリカは少し困惑していたが、説明を聞いてほっと息をつく。どうやら先ほどのプレイヤーたちのこととシュウが説明しないことが不安だったようだ。
「人気者なんだな、シリカさん」
「シリカでいいですよ。───いいえ、マスコット代りに誘われてる
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