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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
04.龍使いと橙
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げる。
「ありがとうございます。助けてくれて」
無理していることなど誰が見ても明白だった。その言葉は別れの挨拶ということなのだろう。このまま少女と別れてはいけない。そうしたらまたシュウは後悔することになるだろう。
「その羽、アイテム名とか設定されてないかな?」
少女は水色に輝く長い尾へと触れ、アイテム名を確認する。そこに浮かび上がった名前に再び少女は涙を浮かべる。
【アイテム名:ピナの心】
「泣かないで、ピナの心が残っていれば、まだ蘇生の可能性がある」
「ほ、本当ですか?」
少女は叫ぶようにわずかに腰を浮かせた。
「うん、四十七層の南に思い出の丘というフィールドダンジョンがある。そこのてっぺんに咲く花が使い魔蘇生用のアイテムらしい」
「……四十七層」
その言葉を呟き肩を落とした。少女の装備を見る限り、四十七層への安全圏のレベルまで到達はしていないだろう。各層の安全マージンは十積みが必要となる。そのレベルに到達せずに行くこともできるがこのゲームではそんなことをすれば死が待ち受けている。
この少女を放って置くわけには行かなかった。
シュウは思案する。そして不意に思い出し、アイテムストレージを確認する。
「確かあのバカに押し付けられた装備があったはず…………あった」
シュウはトレードウインドウを開き、トレード欄に次々とアイテムを移していく。
「あの……」
戸惑う少女の声がする。
「多分、この装備なら五、六レベ程度なら上げられるはずだ。それに俺とあと一人の同行者がいると思うからなんとかなると思う」
「えっ…………」
少女は立ち上がり、こちらをまじまじと見てくる。シュウを少し怪しんでいるのであろう。それもそのはずだ。《美味しい話にはウラがある》というのは現実もこの世界も変わらない。
「なんで……そこまでしてくれるんですか……?」
警戒するように少女は訊いてくる。
シュウは回答に少し困ったが視線を逸らし、小声で呟いた。
「……もう嫌なんだよ。…………自分の気持ちに嘘ついて後悔するのは……」
トレードウインドウの後ろに表示されるアイテムウインドウ。そこにわずかに見える《月音の槍》という文字。それとともに目尻がじんわりとしてくるのを感じ、慌てて後ろを向いた。
「わ、悪い。忘れてくれ」
こぼれ落ちる前になんとか堪えることができた。
「わ、わかりました。あの……こんなんじゃ、ぜんぜん足らないと思うんですけど……」
ぺこりと頭を下げていた少女がトレードウインドウにコルを打ち込んでいた。
「いや、金ならいいよ。押し付けられたものをあげただけだし、それにここに来た目的とも、被らないわけでもないし
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