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SAO−銀ノ月−
襲撃
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て。

「どうしたの?」

「いや……向こうに1人、プレイヤーが」

「プレイヤー?」

 公園の奥に向かっていく、白いフードを被ったプレイヤー――体格から判断するに、ちょうど自分たちと似たような年齢の少女だろうか。目深に被って顔を判別することは出来ず、ボス戦でもあのような外見をしたプレイヤーは見なかったが、それ故に目を引かれていった。

「どこにもいないけど……?」

「え?」

 にもかかわらず、その純白の少女の姿をどこにも捉えることは出来なかった。公園の奥に向かって行ったと言えども、すぐさま見失うような見通しの悪さではなく、隠れるような場所も意味もない。

「消えた……?」

「やっ、やめてよショウキくん! そういうこと言うなら、私1人で帰るからね!」

「あ……悪い悪い! そういえばプレゼントの件、どうなった?」

 事実がありのままに口の中から飛び出したが、幽霊だとかそういった話が逃げだすほど嫌いなアスナが、歩くスピードを速めてすぐさま公園から出て行った。やぶ蛇を踏んでしまった、とアスナを追いかけながら、とりあえず話題を変えていく。

 もちろんその話題は、俺たちがこうして《オーディナル・スケール》に参加している理由である、プレゼントとそのポイントについてだ。

「……おかげで、プレゼントする物は決まりました。ポイントももう少し」

「そうか……俺も早く何をプレゼントするか決めないと、だな」

 どことなくジト目でこちらを睨みつけてくるアスナと、なんとか歩幅を合わせることに成功すると。《オーグマー》によって拡張された視界に、アスナに勧めたバイク用のグローブが表示される。キリトが年末に古いグローブを処分していて、それから素手でバイクを運転しているのを見て、ふと思いついたものだったが。

「指輪じゃないの?」

「ゆっ……それはポイントじゃ買えないだろ」

「うーん……そういえば、しののんからリズの話を聞いたんだけど」

「リズの話?」

 アスナも《オーグマー》でポイントで入手出来る物品を確認しているのだろう、こちらから見れば何もない中空で指をタップさせていて。こちらが指輪の件で動揺しながらも、同じような動作をしていると、アスナがそんなことを呟いた。

「うん。リズが昨日、アインクラッドを一層からグルグル回ってたって」

「アインクラッドを?」

 確かに先日、リズは用事があると店を出て行っていたが。その用事とは、今更、浮遊城を見て回ることだったのだろうか。そうなれば、先日のリズは浮遊城を見て回った後、あのSAO事件全集を工房で読みふけっていたことになる。

「ポイントも大事だけどさ、一回、リズとちゃんと話した方がいいんじゃない?」

「そうさせてもら
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