襲撃
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顔に戻って、そのまま幻のように消え去っていく。
「あー……もう。ビックリしたぁ……」
「おう、お疲れ様。アンタらがいると助かるなぁ」
「こっちこそ。今日も助かった」
アスナが胸をなで下ろしている間に、今日も一緒になった虎頭のプレイヤーこと、バズーカ砲を肩に担いだネコ大佐と健闘を称え合う。こう何度もレイド戦を共に乗り越えたとなれば、これぐらいに打ち解けるのは必然と言えた。
「アンタらがいると、って言えば……あのオッサンたちは今日はいないのか?」
「いや、来るときは一緒だったんだけどな……?」
ネコ大佐の言うオッサンたち――要するにクライン率いる《風林火山》だったが、メンバーが揃ってから合流すると伝えられたものの、ついぞボス戦に現れることはなかった。携帯にも《オーグマー》にも連絡は来ておらず、ひとまずはこちらからメールを入れておく。
「急な仕事でも入っちゃったのかな?」
「分かる。分かるぞぉ、その気持ち……って、アンタらみたいな若いのに言っても仕方ないか。んじゃ、また会ったら頼むなー」
「射撃ありがとう、いつも。さて……」
「……どうしようか?」
苦笑いを浮かべながら語ったアスナの案を全力で指示しながら、当の自分自身も早足でどこかに向かっていくネコ大佐に言葉をかけると。自分たちも帰ろう……と言いたいところだったが、俺たちをここまで送ってくれたクラインがいないまま、帰っていいのかとアスナと顔を見合わせる。
「私は家も近いし、歩いて帰ろうと思うけど」
「クラインたちを待ってる訳にはいかないし、送ってから俺もそうするよ」
「え……悪いよ。ショウキくんの家、ちょっと遠いじゃない」
「アスナに何かあったら、キリトに顔向け出来ないからな」
行きはクラインが車で送ってくれたからいいが、帰りは電車を乗り継いで行かねばなるまいと、《オーグマー》で電車の時刻とルートを検索する。幸いにもアスナは歩いて帰れる距離だったので、まずはアスナを家まで送ってからになりそうだが。
「……それじゃ、お願いしようかな」
「ボディーガードだったら、キリトより得意な自信はある。どっちだ?」
「うん。こっちからが近いかな」
起動していた《オーディナル・スケール》を解除しながら、アスナの先導に従って歩いていく。他のプレイヤーたちは自前の車やバイクで来ていたり、駅に向かったりしているので、この時点で俺たちとは方向が違う。三々五々、違う方向に散らばっていくのを見て、やはり余計なお世話だろうと送り迎えは必須だな、と考えながら。
「ん……?」
――だからこそ、目を奪われたのかも知れない。プレイヤーたちが散らばっていく中、1人だけ公園の奥に向かっていく、彼女の存在につい
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