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SAO−銀ノ月−
襲撃
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がボスに殺到する。狙いは反転している最中の翼であり、翼を撃ち抜かれたボスは重力に従って大地に落ちていく。

「せーのぉ!」

「オラァ!」

 それでも《ザ・ストーム・グリフィン》には大地を駆ける脚があったが、落下地点で待ち構えていた盾持ちプレイヤーが、自由落下中のボスを受け止める。そのままタイミングを合わせたシールドバッシュが炸裂し、スタンしたボスが地上に投げ出された。

「トドメだ!」

 大地を駆ける脚どころか、横たわって麻痺に震えるボスを前にして、近接型の武器を持ったプレイヤーたちが集結する。身動きの取れないボスを囲んで叩いていくその姿に、敵と言えども同情せざるを得ないが、それよりは散々追いかけ回してくれた恨みが勝る。どうせなら俺も一太刀ぐらい浴びせて鬱憤を晴らしたいところだったが、まだ身体が空気を求めていて、残念ながら動けずにいた。

「うおっ!?」

「ちょっ……回復速すぎだろ!?」

 しかして今回ばかりは、無理して行かなくて正解だったのかもしれない。スタンさせたタンクたちが到着する前に、ボスは周囲に疾風を払ってアタッカーたちを吹き飛ばし、その隙に逃げるように駆けだしていった。すかさずガンナーの射撃が追うが、それは雷撃を自らの周囲に展開することで防いでいた。

「せぇぇぇい!」

 ただし《ザ・ストーム・グリフィン》が逃げた先には、細剣を構えたアスナが待ち構えていて。暴走したように周囲に飛来した雷撃を避けながら、必殺の突きがくちばしに炸裂する。そのまま細剣はくちばしから胴体までを襲っていき、最終的には《ザ・ストーム・グリフィン》は両断されるとともにこの世界から消えていった。

『おめでと〜!』

「ふぅ……ショウキくん、大丈夫? ありがとね、一番キツい役目をさせちゃって」

「いや……大丈……ん?」

「それならいいんだけど……どうしたの?」

 一息ついた後、こちらに申し訳なさそうに駆け寄ってくるアスナに、若干だけ見栄を張った返答をしていると。何やらアスナの背後にもう1人誰かが立っているかと思えば、悪戯めいた表情を隠さないユナが、唇に指を当てながら忍び足でアスナに近づいていた。

『今回も、一番頑張った人にご褒美をあげるね!』

「ひゃっ!?」

 そんな裏工作が功を労したのか、ユナは背後からアスナに抱きつくことに成功し、そのまま頬にキスをしていく。もちろん、AR故に実際に触られているわけではないのだが、アスナを驚かせるには充分以上だったようだ。

『……なーんちゃって。それじゃあ、ま、た、ね?』

「…………」

 そしてほんの一瞬だけ――気のせいだと言われたら否定できない程度、ユナの表情が寂しげなものに変わって。ただし次の瞬間には、いつものアイドルらしい笑
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