第18話 デスマッチ!掟破りの必殺破り!?
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烈な突風が吹き荒れたのだ。
その威力は凄まじく、海面に居た筈のクラーク星人の巨体が瞬く間に空中へと持ち上げられてしまったのだ。
【な、なんだなんだなんだぁぁぁ!!】
全く状況が呑み込めていないクラーク星人が慌てふためき暴れまわる。
だが、猛烈な突風の渦の中でそれはただ空しい行為に過ぎなかった。
やがて、クラーク星人の周囲の風はより強さを増し、仕舞には猛烈な竜巻となってクラーク星人の体を捻じ曲げていく。
唸りを挙げる竜巻の轟音とその中で微かに響くクラーク星人の苦痛の悲鳴。体がねじ曲がり、肉がねじ切れ、肉片が飛び散り海面へと落ちる。
強烈な竜巻は凶悪な宇宙人の体を容赦なくズタズタに引き裂いてしまった。
竜巻が止んだ後、残っていたのはクラーク星人と思わしき残骸が海面に落下し、そして海中へと沈む光景のみが写し出されていた。
そんな風景を上空から見下ろす影があった。
数は三つ、無言のまま海面へと落ちて行く惨めな宇宙人の躯を見つめ続けている。
【弱い、弱すぎる―――】
【所詮は海洋惑星出身の宇宙人。我らの敵にあらず】
【時間の無駄であったか。噂では強者の集う星と聞いたのだが―――】
三体の影がそれぞれ呟くかのように互いに言葉を零す。この影は一体何者なのだろうか? 敵か、はたまた味方か? それを知る事は未だ誰も出来ない事であった。
***
日本近海で起こった事件はすぐさま朝のトップニュースとなり、新聞の一面にでかでかと載る程の大騒ぎになるのにそう時間はかからなかった。
ニュースと新聞と同じように、噂もまた凄まじい速さで伝わっていく。それは、此処番長高校でも同じ事。
クラス中がその話題で持ち切り状態となっており、口を開けばそのネタの事が一番先に飛び出してくるほどだ。
「ねぇねぇ、番」
普段通り自分の席でのんびりくつろいでいた番の元へ美智が声を掛けて来た。彼女が番に声を掛けるのは割と珍しい事じゃない。寧ろ声を掛けない方が珍しい。
「何だよ?」
「今朝のニュース見た? また変な宇宙人が現れたんだってさ」
「あのなぁ、クラス中がそれで話題になってるのを俺が知らない訳ねぇだろう。とっくに俺の耳に入ってるっての」
そう言って自分の耳を指さす。彼女が言おうとしていた事とはずばり今話題の宇宙人の事だった。が、そんな事番にとって見れば左程珍しい事ではない。
何しろ現在進行形で宇宙人相手に喧嘩をしまくっている身の上なのだから。
相手が喧嘩を売ってくる以上買うのが礼儀と言うのは不良の常識・・・と思われる。
とにかく、売られた喧嘩は買うのが番の主義であり、宇宙人が地球にやってくると言うのは簡単に言えば番に喧嘩を売りに来たと言っても過言
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