SIDE:A
第十二話
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穴からチャクラを放出することも可能だ」
ほうほう。ようするにチャクラ穴っていうのは汗腺のようなものか。チャクラ穴から意図的にチャクラを放出するのは難しいんだな。確かに、俺もチャクラコントロールの修行では苦労したものだ……。
「里の中の忍でもほとんどが手足からでしかチャクラを放出できない。ましてや全身からチャクラを放出できる者は極めて少ない。それを、ハルトくんは手足以外の、体のいたるところから放出してみせたのだ。しかも独学で。これは凄いことなのだよ」
「さ、さすが、ハルトくんです……」
「はぁ、すごいんですねハルトさん」
ぽわっと頬を薄っすらと朱に染めて俺を見るヒナタ。ハナビも感心したような視線を向けてきた。
そして俺はというと、まさかそんな凄いことをやってのけたとは露も知らず、目をパチクリさせている。実際、修行してたらできるようになったから、大したことではないと思ってたんだけど。
「……ふむ、どうだろうか。もしハルトくんさえよければ、柔拳を習ってみないかね?」
「え?」
ヒアシさんの言葉に俺だけでなくミオさんやヒナタたち、母さんまでもが驚いた表情を浮かべた。
予想外の申し出だった。ヒアシさんは真剣な顔で俺を見つめている。
「もちろん、白眼が使えないハルトくんでは日向の柔拳を完全に納めることは出来ないだろう。だが、すでにそこまで緻密なチャクラコントロールが出来るのなら覚えておいて損は無いと思うが。どうだろうか?」
「いや、俺からすれば願ってもないことですけど、いいんですか? 門外不出とかでは」
「確かに秘伝や奥義などは日向の人間にしか教えることが出来ないな。しかし柔拳そのものは門外不出というわけではないのだよ」
そうなのか。てっきり門外不出の流派だと思ってたわ。
じゃあ、折角の申し出だから受けちゃおうかな。俺も柔拳に興味があるし、戦いの幅が広がるのは良いことだし。
それに、ヒナタと会える機会も増えるしな!
「それじゃあ、よろしくお願いします」
ある程度力が戻ったため、正座をすると頭を下げる。ヒアシさんは力強く頷いてくれた。
こうして俺は週に四日ほど日向家にお邪魔してはヒアシさんじきじきに稽古をしてもらい、気がつけば日向の一員のような扱いを受けることになっていた。
そして、ここで日向の闇――宗家と分家の溝を知り、長年互いを隔てていた壁を呆気なく壊すことになるのだが、それはまた別の話。
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