SIDE:A
第十二話
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視線を向けてきた。そんな彼女たちに安心させるように笑って小さく頷いて見せる。
一瞬驚いた顔をするヒアシさんだったが、すぐに平静な表情に戻ると「ふむ……」と腕を組んだ。
「ミナトからハルト君の腕前は聞いている。確かに一度、我らの流派を肌で感じるのもいいだろう。ハルト君の腕前なら何か得るものがあるもしれん。それに……」
腕を解いたヒアシさんが珍しくニヤッと好戦的な笑みを浮かべる。
「将来私の息子になる者の実力を知るには丁度良い機会だ」
† † †
ヒアシさんに案内されてやって来たのは離れにある道場だった。百メートル四方ほどの空間で床は木の板で出来ている。
母さんたちには壁際のほうへ離れてもらう。ヒナタとハナビはいつまでも不安そうに俺の側に居ようとしたが、母さんに悟られてようやく離れてくれた。
普段の格好のままでいるヒアシさんはリラックスした状態で静かに立っている。俺は邪魔になりそうな羽織だけ脱いだ。
「よいかね?」
「はい」
ヒアシさんと少し距離を取って正面から対峙すると、審判役を買って出たミオさんが前に出た。
「降参、もしくは気絶で敗北。有効打が入る、もしくは詰みの状態で勝ちとします。忍術の使用はあり。制限時間は無制限です。それでは――始めっ!」
ミオさんの合図にヒアシさんが構えを取る。手刀にした右手の掌を前に、左手を引いた半身の姿勢だ。
先手必勝! チャクラを循環させて肉体を強化し、その上で瞬身の術でヒアシさんの懐に潜り込む。強く踏み込み一直線に拳を突き出した。
右の正拳突き。手の甲で滑らすように力を流された。逸らされた勢いを利用して旋回しまわしけりを放つ。これは一歩下がって避けられた。
――やっぱこのくらいの速度じゃ避けられるよな。なら、ギアを三段上げる!
「す、すごい、ハルトくん……」
「話にはきいていましたが、とうさまのスピードについていけるなんて……。すごいですね、ハルトさん」
ヒナタたちの黄色い声が聞こえる。だが、驚くのはまだ早い。
最近習得した技術をここで使う。どのくらい通用するか実験も予ねてな!
「――はぁぁぁぁっ〜〜!」
「むっ」
足底、両肩、両肘、両の掌からチャクラを噴出させることで推進力に変換し、一気に加速する。体のいたるところに小型のジェット噴射機を取り付けたようなものだ。
まだ実験段階なため常時チャクラを垂れ流している状態だ。膨大なチャクラがあるからこそ出来る芸当だが、いずれは必要な時に必要な部位のチャクラ
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