SIDE:A
第十二話
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向家はこれで安泰だと笑って肩をバシバシ叩いてくる。日向家って結構厳粛な家だと思ってたけど、めっちゃ破目外してるし!
母さんも問題なく婚約が進み上機嫌。一方クーちゃんは不貞腐れているけれど。
「楽しそうですね、姉上」
「あ、ハナビ」
ヒナタと会話に花を咲かせながら箸を進めていると、背後から鈴の音が転がるような可憐な声が聞こえてきた。
振り返ると、そこにはオレンジジュースが入った瓶を手にしたハナビちゃんが立っていた。
彼女とはヒナタちゃんに家の中を案内してもらった時に紹介してもらい、少しだけ会話をした。
二歳のハナビちゃんはヒナタとよく似た顔立ちをしていて、髪は姉と違って背中の半ばまで伸びている。
「どうぞハルトさん」
「ああ、ありがとうハナビちゃん」
コップにオレンジジュースを注いでくれる。なんて出来た子なんだ。二歳とは到底思えないんだけど。
「ハナビでいいです。しょうらい、わたしのおにいさまになるんですから」
「は、ハナビ……!」
「ははっ、了解。じゃあハナビって呼ばせてもらうよ」
そう言って微笑むハナビちゃんにカァッと顔を赤くするヒナタちゃん。姉妹揃って美人さんだな。
「ほら、ハナビもこっち座って飲みな。こういうのは楽しんだもの勝ちなんだから」
隣が空席だったからハナビをそこに座らせて今度は俺が彼女にオレンジジュースを注いで上げる。ふと思ったけど、飲み物の注ぎ合いとかおっさんかよ。子供がやる光景じゃないわ。
ハナビとは今日顔を合わせたばかりだ。そのためか少しぎこちない感じで箸を勧めていたが、姉と一緒に俺の話――主に修行での失敗談やネタになりそうな出来事――を聞いているうちに段々と肩の力が抜けたようだ。食事が終わり酔った大人たちが馬鹿騒ぎをしているなか、子供組みの俺たちは離れた場所で遊んでいる。この頃にはすっかりハナビと打ち解け合うことが出来るようになった。気軽にハルトさんと呼んでくれるくらいには懐いてくれたと思う。子供だから打ち解け合うには一緒に遊ぶのが一番だな。
そして、夜も更けてきた頃。帰る前に俺はヒアシさんにあるお願いをしたのだ。
「ヒアシさん、一つお願いしてもいいですか?」
「うん? なんだね?」
「日向は木の葉最強と聞きます。その強さの由縁を知りたいので、一つ手合わせ願えればと」
俺の発言に日向の皆さんが驚いた顔をする。八歳の少年が木の葉最強を謳う日向家の当主に勝負を挑むとは思わなかったのだろう。俺のことをよく知っている母さんとクーちゃんはやれやれと首を振っていたけれど。
ヒナタとハナビが心配気な
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