0019話『庭園と南雲機動部隊+お艦』
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
して。
他にも空母ならではの嗜みとか見たいなって…」
「………」
「ダメ、ですか…?」
それで少し考え込んでいた鳳翔さんは「そうですね」と一言言って、
「ちょうどいいです。なんならじっくりと見学をしていってください。皆さんの色々な顔が見れますよ」
そう言って鳳翔さんは私の横に並んで案内をしてくれると言うのでありがたいと思ってご厚意に沿う事にした。
それから空母寮の中を見学している途中で緑と橙色の和服を着ている人物たちを発見。
あれは…、
「あ、飛龍さんに蒼龍さんですね」
「二人して何をしているんだ? 蒼龍が飛龍を膝枕しているようにも見えるけど…」
「ふふ。おそらく蒼龍さんが飛龍さんの耳掃除をしているのではないでしょうか…?」
「そうなんですか」
それで少し聞き耳を立ててみると、
「飛龍。どう? 気持ちいい…?」
「うん。そんな感じだよ蒼龍。気持ちいいよ。今度は反対の方を頼んでいいかな?」
「オッケイ。って…飛龍!? か、顔が私のお腹に埋まっちゃってるよ!? しかも気のせいか匂い嗅いでいるでしょう!?」
「そんばこごないぼ(そんなことないよ)…?」
「やだやだー! 飛龍のエッチ! そんなエッチな飛龍には私からも恥ずかしいお返しするよ!?」
「カモン…?」
「やっぱりやだー!」
そんな少し甘酸っぱいやり取りが聞こえてくる。
それで鳳翔さんの「おほんっ…」という掛け声とともに私は現実に戻ってきて、
「つ、次に参りましょうか提督…」
「そ、そうですね…」
飛龍と蒼龍の件は見なかった事にする私達だった。
背後から「提督!? もしかして聞いてた!?」という虚しい叫び声が聞こえてくるが今は聞こえなーい。
そして歩を進めていくとそこには先日も見た弓道場が見えた。
「ここが普段私達が稽古をしている弓道場です。最近になって鈴谷さんが新しく入ってきたので中々賑わっているんですよ?」
「うん。それは知っているよ。昨日に鈴谷がやっぱりというべきか執務室に来て愚痴を零していったから」
そう。やっぱり龍驤達の稽古が厳しいらしく鈴谷はすぐに根を上げてしまっていたのだ。
それで軽空母になる予定の熊野の部屋に逃げ込んだとか…。
もし熊野が空母寮に来たら鈴谷も少しは落ち着くのだろうね。
「そうなのですか。龍驤さん達には優しく教えてくださいと言ってあるんですけど…」
「まぁ、龍驤と瑞鳳は微妙な悩みを鈴谷に抱いていますからね。大っぴらには言えませんが龍驤は主に『この憎たらしいバルジめ!』と鈴谷を弄ってくるらしく…」
「…それに関しましては私も少し思いますけどね」
そう言って鳳翔さんは慎ましい胸を触っていた。
…藪蛇だったか。反省。
と、そんな弓道場にまるで弓を体現したかのよ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ