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風魔の小次郎 風魔血風録
76部分:第七話 力と力その十二
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れはな」
「だがこれで戦線離脱は六人だ」
 黒獅子は今の壬生の言葉には怪訝な顔になる。そのうえで彼に問うた。
「風魔は七人いる。こちらは僅か四人で」
「これがある」
「これ・・・・・・何っ!?」
 壬生が見せてきたその手にあるものを見て目を丸くさせた。
「まさかそれは」
「そうだ。そのまさかだ」
 不敵に笑って黒獅子に答える。
「これで劣勢を覆す。いいな」
「・・・・・・そうか。姫様も本気になられたのだな」
「これを出したからには我等が勝つ」
 こうまで言い切ってみせる。
「だからだ。安心しろ」
「わかった。では俺は怪我の回復に専念させてもらう」
「そうしろ。御前達六人の分は私が引き受ける」
「頼むぞ。その間な」
「うむ」
 黒獅子は静かに試合場を後にする。壬生は横目でそれを見送る。見送りつつ彼が見るものは。
 劉鵬はパーティーから帰るとすぐにその道着を持って学園の部室に戻った。そこにあるプラスチックの上にそれを置く。置いた瞬間に部屋の灯りが着いた。
「小次郎か」
「見事だったぜ」
 笑顔で劉鵬に告げてきた。彼は学ランになっている。
「パーティーも楽しかったみたいだな」
「ああ」
 小次郎の言葉に対して静かに頷く。

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