暁 〜小説投稿サイト〜
IS―インフィニット・ストラトス 最強に魅せられた少女Re.
第四話 漆黒と蒼の舞踏
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て、無謀もいいところですわ!」

「それは…どうでしょうか、ねっ!!」

突然、楓が凄まじい加速力で突進した。余りの速度にレーザーの照準が置き去りになり、楓の後方で虚しく空を切る。

瞬時加速(イグニッションブースト)と呼ばれる加速テクニックで、スラスターが垂れ流す余剰エネルギーを再度取り込み、爆発させることで膨大な推進力を得る技術だ。厳密には違うが仕組みの上では航空機のアフターバーナーに近い。

発動を読まれない限り分かっていても追い付けない程の速度。楓のそれは、徹底した訓練の果てに、チャージも加速も相手に一切の前兆を読ませない。

「【彩葉】出力60%で起動。荷電粒子ブレード展開。」

長刀【彩葉】を包むように、秋の紅葉を思わせる真紅の高エネルギー励起状態の荷電粒子が展開。その刃はAEDSを巻き込み、赤と黒が鮮やかなコントラストを映し出す。

ビームソードの研究過程で産まれたこの彩葉。荷電粒子を纏うその特性上通常の対IS近接刀よりも高い硬度と融点を持つ。荷電粒子ブレードを展開した彩葉の斬撃は、現存する全IS中でもかなり上位に食い込む攻撃力を発揮する。

「セェェェイ!!」

一閃

間一髪躱したセシリアだが、スターライトmkUは両断。楓の攻撃はそこでは終わらない。

「ブルーティアーズッ!!」

「同じ手は食いません!」

楓を引き剥がす為に再び至近距離からの砲撃を行おうとするビット。そのうち手近な一基に向けて彩葉を振るう楓。纏った荷電粒子が三日月型の刃となって飛び、ビットを切断する。

「なっ!?」

「もう一つ!」

動揺したセシリアは慌ててビットを退避させようとするが、焦った人間の動き程読みやすいものはない。中距離にも対応可能な彩葉の斬撃でさらに二基のブルーティアーズが墜ちる。

「クッ!?……こうなったら、ブルーティアーズ!」

四基目のブルーティアーズでセシリアがとった行動は、回避でも射撃でもなく、突撃。体当たりだった。

「そんな苦し紛れ……通用するとでも!」

斬撃を飛ばすのではなく、刀の間合いまで引き付けてから斬り落とす。四散するブルーティアーズには目もくれずに、楓はセシリアに向き直る。

「もう攻撃手段は……!?」

ない、と言いかけて楓は固まる。

「油断しましたわね!!」

ブルーティアーズのサイドアーマーから切り離された二基の円筒状の物体。それが何なのか、楓には容易に想像がついた。

「ブルーティアーズは六基ありましてよ!」

放たれたのは二発のミサイル。セシリアの思念によって誘導されるそれは、楓が迎撃に繰り出した斬撃を潜り抜ける。

「!?しまっ……」

楓の声は爆音に掻き消され、発生した爆炎に呑み込まれた。


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