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IS―インフィニット・ストラトス 最強に魅せられた少女Re.
第四話 漆黒と蒼の舞踏
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でも思ってたのですか?」
最早刃を交える事無く解決など有り得ない。楓が近接刀【彩葉】を、セシリアが光学狙撃銃【スターライトmkU】を展開。右腕を肩の高さまで水平に上げるその姿は、何の因果か、殆ど同一のモーション。
「……では。」
「ええ……、」
〈敵性ISの安全装置の解除を確認。初弾エネルギー装填、ロックオンされました。〉
〈目標の該当データ無し。特殊兵装の起動を認識。系統不明。〉
互いのISが搭乗者に彼我の情報をタイムラグ無しに伝える。
シグナルが点灯。カウントが始まり、ほぼ満員の会場の熱気が、急速に遠ざかる。
カウント0
その瞬間には、楓はスラスターを点火して全速力で離脱行動に移っていた。
「この距離でレーザーを……ッ!?なかなかやりますわね。」
セシリアの驚きと称賛の混じった声。レーザー系統の射撃武器における最大の特徴は火力ではなく到達速度だ。実際の光速程では無いが、20mでの発射から弾着までは0.1秒を切る。
恐らく、セシリアにとって必中の一撃。それを楓は完璧に避けてみせた。
「初弾から精密狙撃。お見事ですが、想定の内です。」
漆黒の機体がスラスターの尾を引いてアリーナを駆け抜けていく。その軌跡を追って蒼い閃光がブルーティアーズから次々に放たれる。
(鋭く正確な射撃……ですが、素直に過ぎますね。)
確実に楓を捕捉しているセシリアだが、トリガーを引く瞬間には楓が回避行動に移っている。正確故に楓には、セシリアがどこを狙っているのか、いつ撃つのかが手に取るように予測出来た。
「【
AEDS
(
エイドス
)
】起動。」
回避を続けながら、楓は玉鋼に搭載された特殊兵装を発動する。肩の装甲がスライドし、その隙間から深紅の粒子が散布される。
そして、回避を続け、ジグザグ飛行を続けていた楓が突然、軌道を変え、セシリアのブルーティアーズ目掛けて真っ直ぐに突進していく。
戸惑いつつも反射的に狙いをつけ、トリガーを引くセシリア。その蒼い光芒は、紅い粒子と衝突し、火花を散らす。減衰したレーザーが漆黒の装甲に弾けるが、ダメージらしいダメージは無い。
「な……AEWですって!?」
AEWーーーーAnti Energy Weaponの略称ーーーーとは、ISが世界に知れ渡った以降、急速に発展していったカテゴリの兵装だ。
白騎士の出現の後、最も問題視されたのは、既存兵器ではISにダメージを与えられないこと……ではなく、ISの攻撃、特に荷電粒子砲に対して、既存の防御手段の一切が通用しない事だった。
各国は相手を倒す為の剣よりも先に、身を守る盾や鎧を産み出す事を余儀なくされた。そうして発達したのがAEWだ。
最もポピュラーな対ビームコーティングに
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