非常事態
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王国軍に召集された魔導士たちの襲撃を受け、莫大な被害を受けている暗殺グループのアジト。そこに、二人の男女が姿を現す。
「ずいぶん派手にやられたみたいだね」
「ホッパー様!!」
最上級幹部の登場とあって、受けていた治療を中断して頭を下げる兵隊たち。ホッパーはそれをやめさせると、治療に戻るように促す。
「エーメたちは?」
「すでに集まっているようです」
イザベリーの問いに軽く会釈をしながら返答する面々。それを受け、二人は奥にある一室へと足を進めていく。
「どうやらこの前の少年がやって来たようだな」
「分かるのですか?」
この前のというのはわからなかったが、まだ詳細を聞いていないのに攻めてきた人物を特定できる観察眼に感心するイザベリー。それに対しホッパーはあまり気にした様子は見受けられない。
「あの壊れ方は、彼の力でなければありえないよ。まぁ、他にも同等の魔導士がいるのなら話は別だが」
冷静な分析で根拠を語ったホッパーの言葉に納得したイザベリーは感心したようにうなずく。そんな話をしていると、彼らは目的の部屋へと到着する。
ガチャッ
扉を開くとそこにはシリルたちと戦闘した、六人のメンバーが丸テーブルを囲むように座っている。
「さて、じゃあ始めるとしようか」
全員の顔を見渡せるような席へと腰掛けるホッパー。それに続くように、イザベリーはエーメたち女性陣のそばの椅子へと腰掛けたのであった。
シリルside
「ほら、シリルちゃん力抜いて」
「や・・・やめてよソフィア」
後ろから羽交い締めにして、囁くように耳元で語りかけてくる変態少女。それに対抗しようにも、普段よりも力が弱くなっている気がして、引き離すことができない。
「ほら、ソフィアに体を全部預けて」
「い!!いや!!」
体全体をイヤらしく、しかも優しく触ってくるので思わず声が出そうになる。すると、それを見て気を良くした彼女は服の中に手を――――
「入れさせねぇよ!?」
入れられそうになったところでグラシアンさんがソフィアの頭をひっぱたく。
「何するのグラシアンさん!!」
「むしろこっちが聞きたいんだけど!?」
実はここには今回集められたメンバーの大半が集結している。最初はほとんど人がいなかったんだけど、俺の事情を聞いた途端ソフィアが我慢できなくなり、襲い掛かってきた次第だ。
「今はふざけてる場合じゃないだろ、ソフィア」
「そうだよ!!」
グラシアンさんに続いてカグラさんとミリアーナさんから注意をされると、少女はしょんぼりと項垂れる。おかげで今回の件は落ち着いたけど、彼女たちの言う通り今はふざけていら
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