暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
OVA
〜紺色と藍色の追復曲〜
此の時彼の場所で
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話





車に戻った相馬は、ドアをしっかりと閉じながら、まずは身に着けている全ての衣服を脱いだ。

手早く乱雑にひとまとめにしたそれを、後部座席の下に突っ込んでおいた、研究所などで使うような電気抵抗式の携行炉を引っ張り出し、その中で跡形もなく滅却する。

追跡用の《匂い》などの可能性も排除した男は、その様子を横目で見つつ、錠剤のような《解体剤》を水なしで口に含む。

効果は迅速だった。

身体中の体細胞が分解、溶解しはじめ、体温や血液を起因とする湯気に囲まれる中、小日向相馬は構わずに自嘲的に嗤った。

ノドどころか、そこから繋がるアゴすら不気味にぐらついている中で、それでも掠れた声で相馬は言う。

「ったく、さっすが姉妹だ。勘の鋭さが半端じゃねぇな。これがモノホンじゃない《代替身体(クローンドール)》だって見抜いてきやがる。遺伝子レベルで同一なはずなんだがな?」

遠隔から操作できる手前、純百パーセントではないが、それでも外見上の差異はないはずだ。それでも違和感を感じるとなると。

「チッ、ヤだヤだ。身内ってのはよ」

眼球も溶け初め、人間としての輪郭も曖昧になりつつある中で、少年にも青年にも見える男は満足げに口許を緩めた。

「……じゃあな、従妹(いもうと)










一番嫌いな花?

そりゃ、蓮の花だな。

なぜかって?腐った汚泥を覆い隠した上で、平気な顔でお綺麗な花を咲かせてるところだよ。

――――小日向相馬
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ