第20話 D∴G教団壊滅作戦 前編
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
side:リィン
会議から5日が立ちいよいよD∴G教団壊滅作戦が開始されようとしていた。僕は団長とフィー、そしてガイさん達クロスベル警察署のチームでカルバート共和国の最西端にある港湾都市『アルタイル』郊外の森の中にある洞窟の前に集まっていた。あの中に奴らのロッジの一つがあるらしい。
「いよいよか……」
僕は無意識にそう呟いていた。あそこにレンがいるとは限らないが今回の作戦でD∴G教団を壊滅出来ればもうあんな悲劇は起きなくて済むんだ、今日で決着を付けないと……
「おいおい、あんま気張りすぎるとかえって失敗しちまうぞ」
僕の傍にいた団長がポンッと僕の頭を撫でる。
「団長……」
「気持ちは分かるぜ。俺も早くあいつらをぶちのめしてやりたいからな。でも焦りは禁物だ、足元をすくわれちまう」
「うん、分かったよ」
僕は団長の言う通り心を落ち着かせる。ここで自分がやられてしまったら何の意味もない、レンに会う為にも生きぬかないとね。
「他の皆は大丈夫かな?」
僕の隣にいるフィーがそう呟いた。ゼノ達は他の場所にあるロッジに向かった。D∴G教団のロッジが多すぎるため集まった遊撃隊だけでは手が回らないらしく団の皆もバラバラになって動いている。
「あいつらは大丈夫さ、あれでもプロだからな。感情のコントロールはお手の物さ」
「ううん、そうじゃなくて他の人たちとちゃんと連携が取れるのかなって……私たちは猟兵だから快く思わない人もいるんじゃないかな?」
「ああ、それなら大丈夫だ。カシウスの旦那のお蔭で今回ばかりはそういった柵は無くなった。よっぽどのバカじゃなきゃ俺たちに何かしようなんて思う奴はいないさ」
カシウス・ブライト……大陸に数えるほどしかいないs級遊撃士でありリベールの英雄とも呼ばれる男……団長の話では彼が取り持ってくれたお蔭で僕たちも作戦に参加できるようになったらしい。
「カシウス・ブライト……一度会ってお礼が言いたいな……」
「おう、あんな大きな男は滅多にいねえ。キチンとお礼を言っときな」
「うん」
団長と話していると僕の後ろにいたアリオスさんが声をかけてくる。
「そろそろ時間だ」
アリオスさんの言葉を聞いて僕は気を引き締めた。いよいよ始まるんだ、教団との戦いが……思えばこの数年は子供ながらに長く感じた……何度も絶望を味わったけど沢山の人に助けられて今ここにいる。
「リィン」
「フィー?」
隣にいたフィーがそっと僕の手を握ってきた。
「貴方の隣でわたしは戦う、最後まで一緒だよ」
「ああ、一緒に戦おう、フィー!」
僕はフィーの手を握り返してそう答えた。
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ