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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第三十一話 次元漂流者
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の通りです。厳しい訓練も、喧嘩も、命令違反も全て……自分が死にたがってやっていた事だったんです」

「………」

話の内容に、なのはは言葉が出ない。

「土砂に飲み込まれて行く瞬間、あぁ、これで死ねる。これで父さんと母さんに会えるって、単純にそう思って……オレ、死にたがってたんだと理解したんです」

何度目かの沈黙が隊長室を包む。

「気がついた時は病院のベッドの上でした。生きているって分かった時、また心が重くなったって感じました。

ふと横を見たら、泥だらけのオヤジがスゲェ怖い顔でオレを睨んでいるんですよ」

「それはそうだろうな。オヤジ殿は命令違反をして無茶したお前を心配し、同時に怒っているのだろうからな」

シグナムも似たような経験があるのか、ウンウンと頷く。

「オレもそう思いました。命令違反をして死にかけた事に対して怒られるだろうって思ったんですけど、オレにとってそんな事、どうでもよかったんです。ただ、無駄に生き延びたなって思って。

そんな事を考えてたら、いきなりオヤジにブン殴られましたよ」

「「「「「ええっ!!」」」」」

その展開にみんなが驚く。

「馬鹿野郎!って動けないのに何度も。

どうせなら、このまま殴り殺してくれればいいのにって思った時、オヤジがこう言ったんです。

馬鹿野郎!ガキが死にかけて安らかな顔してんじゃねぇ!って」

アスカは顔を伏せて目元を拭った。

「スンマセン……この話をするとちょっと…ね。

殴りながら言うんですよ。

お前が死にたいっていう気持ちを持っていたのは知っていた。それを捨てさせる事ができなかったのは俺の責任だ。

両親が亡くなって、独りぼっちになった寂しさを紛らわす事ができなかったのは部隊の責任だ。

俺達の力不足でお前を救えなかったのは、すまないと思っている。

でも生きろ!何をしてもいい!間違った事をしたら、俺達が全力で止めてやる!生きろ!管理局が嫌ならやめてもいい!

生きろ!両親の分まで生きろ!…てね」

泣いているのを見せたくないのか、アスカは顔を伏せたまま話す。

「……そうだったんだ」

もらい泣きしたシャーリーがアスカを見る。

「見るとさ、オヤジが泣いているんだよ。泣きながら殴ってきて。命令違反の事なんか一言も言わないでさ。

そんなオヤジの姿を見ていたら、オレも泣き出してさ。初めてだったよ。099に入って初めて泣いて。

泣きながら、ゴメンナサイって謝ったよ。何度も、何度も。

こんなに心配して、親身になって、愛してくれる人がいるなんて気づかなかったからさ。

心が熱くなって、この人なら…って思ったんだ。

その時からかな。オヤジって呼ぶようになったのは」
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