前振り魔術師と説教刑事
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む街で行われているなら、俺は阻止したい」
そういえば、彼は冬木大災害で生き残った孤児だったとあったな。
だとしたら、そのあたりにトラウマがあるのかもしれない。
まぁ、答えは聞けたのでよしとしよう。
「分かりました。
こちらからは以上になります……が」
こういうのは演出がものを言う。
バンとドアが開いてどがとかと数人の私服警官が踏み込んできた事に三人の頭はついていけない。
「冬木新都署の咲村警部だ。
冬木市女性失踪事件と冬木市郊外外国人女性殺人未遂事件の参考人としてお話を聞かせてもらいましょう」
「え?え?え??」
「ちょっと!
これどういう事!?」
左右を掴まれた遠坂凛が体術みたいなものでもがこうとするが、現職の刑事にそれが通用する訳もなく。
咲村警部の顔は笑顔だが、はっきりと激怒していた。
「子供が間違った道に進もうとするのを正すのが大人の役目だ。
人殺しなんてものに進んで参加しようなんて馬鹿に説教するのさ。
明日には帰してやるから、それまで覚悟しやがれ」
混乱中の衛宮士郎と騒ぐ遠坂凛が連れて行かれるのを横目で見ながら間桐慎二がぽつりと呟く。
「馬鹿だな。あいつら。
あれだけ前振りがあったのに、堂々と言うなんてさ。
参加不参加はともかくここは不参加を言わないと、ああなるなんて気づかなかったのかな?」
それをここで言う彼もなかなか危ない橋を渡っているのと思うのだが。
それに気づいた彼は両手をあげて嫌味に笑う。
「さっきも言った通り、『僕は』参加できない。
それは真実さ。
腹立たしい事にね」
『僕は』と所を強調する事で私たちに情報提供をする間桐慎二。
間桐慎二と間桐桜、間桐臓硯はまた別という事らしい。
「で、そういう情報を出す代わりに私達に何を望むので?」
だから私は取引を持ちかける。
少なくとも彼は私達の脅威を知り、賢明にもそれを回避した。
それへの敬意は払わないといけない。
「取引だ。
聖杯戦争不参加を条件に、僕と桜の安全を保証しろ」
そこで言葉を止めて、彼は慎重に言葉を選ぶ。
「だが、間桐の家は全てあの爺が握ってる。
あの爺を説得して欲しい。
これが条件だ」
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