前振り魔術師と説教刑事
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私の笑顔に対して三人の顔色が露骨に青くなる。
魔術師ではあるが、日本国民でもあり、学生でもある三人は、この聖杯戦争というものがどれだけやばい虎の尾を踏んだのかようやく理解したのだろう。
なお、第四次聖杯戦争で航空自衛隊のF-15Jを撃墜した時、魔術協会が隠蔽費用にそれ以上の金額をかけていたりするのだが言わないでおこう。
若宮分析官が私の後をついで大人として三人に諭す。
「つまり、そういうものが蠢いているの。この聖杯戦争もね。
お友達の沙条綾香さんは不参加を表明して、こちらが用意したセーフハウスに移ってもらっているわ。
アトラム・ガリアスタが撃墜された事で、聖杯戦争は序盤戦に突入したと私たちは判断しています。
あなた達三人を日本国民として救うにせよ、魔術師として見捨てるにせよ、もう猶予は残っていないの」
「アトラム・ガリアスタ?
誰だ?」
衛宮士郎の言葉に、私は違和感を覚える。
間桐慎二も遠坂凛も顔に疑問符がついている。
不思議に思いながら、私は彼のことを話す。
「魔術協会から派遣された魔術師ですよ。
地中海上で乗っていた飛行機ごと撃墜されて、彼のサーヴァントがはぐれになった可能性があると。
その為、私達は彼の工房を押さえてそのサーヴァントの捜索のてがかりを得ようとして、ランサーの襲撃を受けたんですが……
……話、通っています?」
「聞いてないわよ!
そんな事!!!」
遠坂凛の絶叫で分かったことがある。
現地で監督する言峰神父には情報を流していたはずなのだが、それが三人に届いていない。
その時点で言峰神父が腹に一物抱えているろくでもない人物であるという事が分かる。
彼の情報の洗い直しが必要と思いつつ、再度私は質問を繰り返した。
「というわけで、改めて選択してください。
聖杯戦争に参加するのか、辞退するのか?」
最初に口を開いたのは間桐慎二だった。
嘲笑いながら、彼は聖杯戦争の不参加を告げる。
「はっ。
僕は聖杯戦争に参加したくても参加できないのさ!
何しろ魔術回路が無いからな!!」
吐き捨てた彼をフォローしたのは遠坂凛だった。
痛々しそうな顔で彼女はこちらが調べた事を言う。
「本当よ。
間桐の血は魔術回路が衰えてしまって、よそから養子をもらったの」
「それが間桐桜。
あなたの実の妹ですね」
「……そうよ」
衛宮士郎がなにそれ聞いていないみたいな顔をしているがひとまず放置する。
背後関係を調べた時、なにこれ殺人事件起きそうと思ったのは内緒だ。
「私は参加する。
そして勝つわ。
それが遠坂の悲願なんだから」
「俺もだ。
こんな危険なことが俺の住
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