前振り魔術師と説教刑事
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る。
「ちょっ……」
「魔術師の取引は等価交換とはいいますが、今の私は政府組織の代弁者としてこの場にいる事をお忘れなく。
取引の主導権はこちらにあります。
それをお忘れないように」
「……」
遠坂凛にはしっかりと脅しが効いているらしい。
というわけで、遠慮なく押し切らせてもらおう。
「襲撃情報なんてものは、私にとってはドブに捨てても良い情報ですから、来てもらった皆様に遠慮なく挨拶代わりに差し上げようと。
まぁ、来てもらった時間と交通費ぐらいの価値は皆様にはあったのでしょうが。
交通費と手間賃を込めた幾ばくかを用意しておりますのでお受け取りください」
「……っ!?」
『いらないわよ!』と言おうとした遠坂凛の口が、三人の前にぽんと置かれた封筒の厚みを見て固まる。
学生にとって札束でぶっ叩かれるというのは初体験だろう。
「……これ、本物?」
「偽物渡してどうするんですか?」
衛宮士郎の場違いな反応にたまらず若宮分析官が吹き出しで場の空気が和む。
そのまま三人にカメラが捉えた槍のタイツ男の写真を見せる。
「なかなかおもしろい人でしたよ。
近くにあったカメラにはまったく映っていないのに、偵察衛星のカメラにはしっかりと映っている。
認識阻害でしたっけ?
あれのいい研究資料になりそうです」
私がさらりと出した偵察衛星に反応するのは男子二人。
さすが男の子はこの手の話題に食いつくものなのだ。
「偵察衛星……そんなものまで出しているのかよ……」
「当たり前じゃないですか。
前回の聖杯戦争を海外はテロと認識しているんですよ。
で、そのテロで現在ガチギレしているのはどこの国だと思います?」
私のしらじらしい口調にごくりと三人の喉が鳴った。
先にアプローチを受けている遠坂凛がその国の名前をあげる。
「米国」
「ええ。
遠坂さんはアプローチを受けていますね。
彼の国からの伝言も承っていますよ。
米国と取引したら財政支援をする話ですが、金額を増額するそうです」
「はっ!
いくら出すんだよ!
魔術師がはした金で……」
間桐慎二の台詞は途中から悲鳴に変わった。
私の金額提示で。
「ええ。
はした金ですよ。
70億円ですから」
「「「ななじゅうおくぅぅぅぅぅ!?」」」
おお。
三人同時に吹き出した。
さすがに学生諸君にはこの金額は想定外だろう。
「さすがに戦争中の超大国は違いますね。
軍事予算は膨大に膨れ上がっているので、戦闘機一機分ぐらいならばちょろまかせるそうですよ。
なお、中東での戦争の費用、数千億ドルでなお増大中ですから本当にはした金ですね♪」
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