前振り魔術師と説教刑事
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「まったくだ。
御三家の一員として魔術協会の人間と会うというからこうしてやってきたというのに」
間桐慎二と衛宮士郎の抗議に遠坂凛がうっかり忘れていたという顔になる。
まぁ、挨拶は大事なので私と若宮分析官は三人に名刺を渡して挨拶をする。
「文化庁文化財部参事官補佐の若宮友里恵ともうします」
いかにも霞が関のキャリアであるという雰囲気をまとわせて若宮分析官が挨拶をする。
私の方も若宮分析官と同じスーツ姿なのだが、就職活動中にしか見えないのが困る。
「文化庁文化財部嘱託の神奈絵梨です
よろしくお願いします」
「あ。よろしくお願いします」
素直に頭を下げる衛宮士郎に対してある程度知っているらしい間桐慎二が私の名前に反応する。
「神奈……?
あの占い師一門の神奈か?」
「その神奈で間違いないですよ。
今回の聖杯戦争については、主に政府自治体との折衝やトラブル処理を担当しています」
あっさりと会話が流れていくが三人は気づいていない。
肩書と仕事の違和感を。
それに気づけば、若宮分析官の挨拶時の役職が明らかな欺瞞であるのが分かるのに。
それに連座して、私の立場もバレるのだが。
「固くなられてもと言ってもこの状況だとしょうがないですか。
さっさと本題に入りましょう。
皆様はまだ聖杯戦争参加表明書出していませんよね。
その確認をと思いまして」
「何でそんな事をあんたらに言わないといけないんだよ!」
間桐慎二がつっかかるが、それを私はあっさりといなす。
チョコを食べながら。あ。これハマりそうだから私も買っておこう。
「そりゃあ、私襲撃されましたし。
ランサーに」
「「っ!?」」
反応したのは間桐慎二と遠坂凛か。
衛宮士郎はよく状況が分かっていないらしい。
「じゃあ、あなた参加者なのっ!?」
遠坂凛の警戒に私はちゃんと両手を見せて令呪がない事を見せつける。
その上で彼女の火にガソリンをぶっかけた。
「何でそんなものに参加しないといけないんですか?
追い払いましたけどいい迷惑ですよ。本当。
まさかと思いますが、私を襲ったマスターじゃないですよね?」
「待てよ!
なんで三流占い師の神奈がランサーの英霊を撃退できるんだよ!?」
間桐慎二の悲鳴に近い叫び声に、私は慇懃無礼に返答する。
「それは数の暴力に決まっているじゃないですか。
遠坂さんはご存知かと思いますが、今回の件では米国が動いていますので」
「は?」
「まじで?」
男二人が呆然としたのに対して、遠坂凛がまたキレた。
立ち上がって魔術師としての主張をしようとするのを先回りして、ぶった切
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