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オズのアン王女
第十二幕その十
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「予言のことも」
「いい予言だったわね」
「オズの国のね」
「悪いことは起きない国にしても」
「やっぱり気になっていたのね」
「そうならなくてよかったわ」
 少なくとも悪い結果にはならない、それがオズの国なのです。それまでにどれだけ騒動やトラブルが起ころうとも。
「本当に」
「そうよね」
「外の世界の予言っていいますと」
 ジョージが言うその予言はといいますと。
「悪い予言ばかりなんですよね」
「そうそう、戦争とか人類滅亡とかね」
 カルロスはそのジョージに応えました。
「そんなのばかりだよね」
「宇宙人とか世界を影で操る組織とか」
 神宝はその人類滅亡の担い手を具体的に挙げました。
「災害とかね」
「ノストラダムスとかエドガー=ケイシーとか」
 ナターシャは予言者の名前を出します。
「そうした人達の予言ね」
「何か予言っていうと人類滅亡なのよね」
 恵梨香も言います。
「私達の世界では」
「昔それこそスプーンが落ちたら人類滅亡って騒ぐ漫画があったらしいね」
 ジョージはこんなこともお話しました。
「日本に」
「それどんな漫画なの?」
「はい、聞いたところではです」 
 ジョージはアンに応えてその漫画のお話をします。
「漫画雑誌の編集者の人達が主役で」
「その人達がなの」
「本当にそれこスプーンが落ちただけで」
 そうしたレベルの些細なことで、です。
「人類滅亡の予言だ、宇宙人だ、世界の影の政府だ、ノストラダムスだって喚いていたらしいです」
「凄そうな漫画ね」
「前に言った話が次の話では無視されるのは普通で」
 過去を振り返らないというのでしょうか。
「一九九九年七月に人類は何度も滅亡することになるっていう」
「そんな漫画なの」
「そうだったみたいです」
「今は二十一世紀だから」
 アンはここまで聞いて言いました。
「その予言は外れたわね」
「そうですよね」
「人類は今も残っているわ」
「そうですよね」
「悪い予言ばかり言って」
 そうしてです。
「全部外れたのね」
「そうしたことになりますね」
「悪い予言ばかり言う人は」
 こうも言ったアンでした。
「それはそれでおかしいのね」
「ううん、おかしな人だから」
「あまり聞かなくていいわよ」
「そうなりますか」
「そんなすぐに滅亡だとか言っても何にもならないわ」
 それこそというのです。
「だからそうした予言は気にしないでね」
「やっていくといいんですね」
「そもそもその人の言う予言って当たったことがあるの?」
「何か起こってから予言されていたっていうのがいつもだったとか」
「そういうものよ、悪い予言を言う人はね」
「悪いことが起こってからですか」
「言うものよ、いいことを言う人はね
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